2014 Fiscal Year Research-status Report
次世代シークエンサーを用いた骨髄腫におけるnon-coding RNAの役割解析
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26460665
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
半田 寛 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (90282409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 博和 群馬大学, 保健学研究科, 教授 (40166260)
山根 有人 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10420192)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | long non-coding RNA / 多発性骨髄腫 / 次世代シークエンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】long non-coding RNA(lncRNA)は数百から数十万塩基にも及ぶ、タンパク質をコードしないRNAで、クロマチン制御、転写制御、核内構造体タンパク質輸送などに関与することが明らかにされつつある。本研究ではこの2つのlncRNAの多発性骨髄腫における発現を比較検討した。 【方法】多発性骨髄腫由来の細胞株(9株)および、同意を得て採取したMM患者71名、MGUS患者27名、正常対照として顕微鏡的に異常がないと判断された悪性リンパ腫患者11名の骨髄由来の単核球(CD138 陽性細胞)を用いてRNAを抽出し、qPCRにてANRILとMALAT1の発現量の定量を行った。【結果】細胞株においてANRILはKMS18、OPM2、KMM1で、MALAT1はKMS12BM、OPM2、KMS12PEで高発現であった。また、ANRILは正常形質細胞には全く発現しておらず、発現量の平均値を比較するとMM患者群(5.351±25.117)がMGUS患者群(0.432±1.861)と正常対照群に対し、有意に高値(ともにp≦0.001)を示した。MALAT1の発現量の平均値は、MM患者群(12.333±17.251)がMGUS患者群(6.128±10.816)と正常対照群(1.909±1.571)に対し有意に高値(p=0.002、p=0.015)を示した。【結論】患者群で比較した結果より、この2種のlncRNAは多発性骨髄腫において高発現していること、またMGUSよりもMMでより高発現であったことからMMの進行に関与することが示唆された。 現在次世代シークエンサーIllumina-Nextseq500を用いて、網羅的RNA発現解析を施行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
次世代シークエンサーによる網羅的RNA発現解析は、当初当大学に導入済みであったIon Protonを使用して施行予定で、実際数例のサンプルについては、解析を開始していた。しかし本年1月から、より高性能なIllumina社の次世代シークエンサーNextSeq500が導入されたことから、本年の解析をこちらのプラットホームに移行した。そのため若干作業が遅れたが、RQ-PCR法や遺伝子導入による作業は概ね予定通り進捗しているため、やや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、骨髄検体を収集し、次世代シークエンサーによる解析を進める。また形質細胞腫など骨髄外のサンプルや、治療経過中のサンプルについても検討を行う予定である。可能であれば内外の研究者を連携を図って研究のスピードアップを図りたい。
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Causes of Carryover |
旅費として計上していた50,000円を、学内業務により出張の日程が確保できなかったため当該年度では使用せず、次年度に繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度あるいは、次次年度において、血液学会において成果発表と情報収集の目的で使用予定
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