2014 Fiscal Year Research-status Report
2型糖尿病患者における日内血糖変動が関与する新たな動脈硬化形成機構の解明
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26460666
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
角野 博之 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (10375579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 正巳 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30241871)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 内科学 / 臨床検査医学 / 動脈硬化 / 血糖 / 生理機能 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
空腹時血糖値が正常範囲内であっても食後血糖が高いため血糖変動が大きくなる状態をグルコーススパイク(血糖変動増大)と呼ばれている。この日内での血糖変動増大の反復により動脈硬化が促進されると考えられている。毎食前後および夜間・深夜帯の血糖変動幅等の日内血糖変動の項目は、24時間連続的に血糖値を測定できる持続血糖モニター(continuous glucose monitoring: CGM)を用いることによって評価可能である。本研究では、2型糖尿病患者および対照となる非糖尿病患者を対象とし、CGM機器を用いた日内血糖変動、血流依存性血管拡張反応、脈波伝播速度、頸動脈内膜中膜複合体厚等の動脈硬化度および動脈硬化形成に関与する血中バイオマーカーを同時に測定し、2型糖尿病患者における日内血糖変動項目のうち、どの項目が動脈硬化形成・進展と関連するかを解明し、双方に共通に関与する血中バイオマーカーを探索するために開始された。 今年度は対象者として2型糖尿病患者および非糖尿病患者 計100例の症例数を目標としたが、8例しか募集することができなかった。現在、8症例全員に対して、上記の日内血糖変動、臨床的動脈硬化検査を実施し、採血にて血糖、HbA1c、脂質、酸化ストレス、C反応性蛋白等のバイオマーカーを測定した。しかし、血中の1,5-anhydroglucitol(1,5-AG)、グリコアルブミン、細胞接着分子、炎症性サイトカイン、レムナント等のバイオマーカーの測定は未実施である。今年度は症例数が少ないため、統計的に2型糖尿病患者における日内血糖変動が関与する動脈硬化形成機構を解明するまでには至っていないが、来年度以降は可能な限り多くの対象者を募集し、さらに、可能な限り血中の未実施検査項目の測定を完了し、研究を遂行していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当大学の臨床研究倫理審査委員会への申請書の作成準備に時間を要し、承認が当初の予定より遅れてしまった。 また、持続血糖モニター機器(メドトロニックiPro2、日本メドトロニック社製)の購入に時間を要し、開始が当初の予定より遅れてしまった。 研究対象者数の不足については、大学内および近隣の地域への宣伝活動が不十分であったことが原因と考えられる。また、研究分担者への役割分担についての説明が不十分であったため、研究の進行が順調には進まず、遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究対象者数が目標に達していないので、大学内および近隣公民館などへのポスター掲示、講演会時の宣伝、近隣の地域住民への健康教室時の宣伝等により可能な限り多くの追加の対象者を募る予定である。 今年度に引き続き、追加対象者に対しても早朝空腹時に採血し、同日、日内血糖変動、臨床的動脈硬化検査を実施し、採血にて血糖、HbA1c、脂質、酸化ストレス、C反応性蛋白等のバイオマーカーを測定する。また、試薬を購入し、血中の1,5-anhydroglucitol(1,5-AG)、グリコアルブミン、細胞接着分子、炎症性サイトカイン、レムナント等のバイオマーカーの測定を行う。 得られたデータの解析は、日内血糖変動として毎食前後および夜間・深夜帯の血糖変動幅、 mean amplitude of glycemic excursions (MAGE;血糖の最大値と最小値の平均変動幅)、24時間の最大・最小血糖値、平均血糖値、標準偏差、変動係数等の項目と、3つの臨床的動脈硬化検査、血中バイオマーカーとの間で解析を行い、2型糖尿病患者における日内血糖変動として評価可能な項目と動脈硬化形成・進展との関連、さらに、その血糖変動と動脈硬化の形成・進展に共通に関与する血中バイオマーカーの探索を行う。
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Research Products
(20 results)