• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2014 Fiscal Year Research-status Report

肝硬変を引き起こすフィブリノゲン低下症の鑑別法の開発と分子生物学的発症機序解明

Research Project

Project/Area Number 26460672
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

奥村 伸生  信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (60252110)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 寺澤 文子  信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (40109210)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsフィブリノゲン異常症 / 肝小胞体蓄積病 / 細胞内封入体 / 蛍光抗体法 / CHO細胞
Outline of Annual Research Achievements

平成26年度は、γR375W変異以外の肝小胞体蓄積病(HERSD)を引き起こすγG284R、γT314P、γΔ346-350(GVYYQ)の3種類の遺伝性フィブリノゲン(Fbg)低下症について、変異Fbg産生CHO細胞を確立し、特異な大顆粒状封入体と繊維状封入体(HERSD型封入体)の有無を蛍光抗体法で観察した。その結果、γT314P、γΔ346-350ではγR375W-Fbgと同様の細胞内封入体が観察されたが、いずれの細胞も、その量および出現頻度はγR375Wよりも低いものであった。しかし、γG284R変異においては細胞内封入体が観察されず、正常Fbg産生細胞と同様の染色結果であった。
また、γG284~γR375の間に報告されているHERSDを引き起こした報告はないが、細胞内の異常Fb濃度が高く、細胞外への分泌が低下している13種類のFbg低下症例について、変異Fbg産生CHO細胞を確立し、HERSD型封入体の有無を観察した。その結果、γC326S細胞においては大顆粒状封入体を有する細胞が散見されたが、γC326A細胞はじめ他の11種類の細胞においては封入体が観察されなかった。
次に、Fbgを産生しているヒト肝細胞であるHuH-7細胞に異常なγ鎖を導入する一過性発現実験を行ったが、結果はγG284R変異を含めCHO細胞の結果と同じであった。対照として、CHO細胞を用いる一過性発現実験も行ったが、結果はHuH-7細胞と同じであった。
さらに、γR375W変異において観察されたHERSD型封入体が、異常γR375W鎖だけで生じるかどうかを明らかにするために、異常R375W鎖のみ、異常R375W鎖と正常Aα鎖の組み合わせ、異常R375W鎖と正常Bβ鎖の組み合わせ産生CHO細胞を作成した。この結果、HERSD型封入体は異常R375W鎖がFbgに組み立てられて形成されることが明らかになった。
以上より、完全ではないがHERSD型を呈する可能性のあるFbg低下症例をCHO細胞を用いて発症前にスクリーニングできる可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

γR375W変異以外の肝小胞体蓄積病(HERSD)を引き起こすγG284R、γT314P、γΔ346-350(GVYYQ)の3種類の遺伝性フィブリノゲン(Fbg)低下症について、変異Fbg産生CHO細胞を確立し、HERSD型封入体の有無を蛍光抗体法で観察した。
また、γG284~γR375の間に報告されているHERSDを引き起こした報告はないが、細胞内の異常Fb濃度が高く、細胞外への分泌が低下している13種類のFbg低下症例について、変異Fbg産生CHO細胞を確立し、HERSD型封入体の有無を観察した。
さらに、平成27年度に計画していた、Fbgを産生しているヒト肝細胞であるHuH-7細胞に異常なγ鎖を導入する発現実験も実施した。
以上より、計画以上に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

平成27年度はHERSD型封入体を形成しない変異Fbg産生CHO細胞あるいはHuH細胞を用いて、異常タンパク質を分解する小胞体関連分解(ERAD)系あるいはオートファジー分解系など、またアポトーシス誘導性がHERSD型封入体形成細胞とどの様に異なっているかを明らかにする。さらに、これらの異常タンパク分解系を抑制する物質を添加し、HERSD型異常細胞を誘導できるかどうかなどを検討し、 HERSDの発症機序を分子生物学的に解明するとともに、これらHERSD型形態異常の異常程度、抑制物質に対する反応性、症例報告の詳細な比較検討などを総合して、HERSDの発症年齢・重症度・進行速度などを予測できるパラメータを確立する。
さらに、平成28年度はHERSD型封入体を形成する変異Fbg産生CHO細胞あるいはHuH細胞を用いて、異常タンパク質の分解誘導物質を探索し、封入体形成を減少させ、肝硬変への進展を抑制できる治療薬候補を見つけ出す研究を行う予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] HERSD型遺伝子変異を有する変異フィブリノゲン/γ鎖産生細胞の作製と封入体形成の検討2014

    • Author(s)
      新井慎平,池田み奈美,小林玉宜,菅野光俊,本田孝行,寺澤文子,奥村伸生
    • Organizer
      第61回日本臨床検査医学会学術集会
    • Place of Presentation
      福岡市福岡国際会議場
    • Year and Date
      2014-11-22 – 2014-11-25

URL: 

Published: 2016-05-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi