2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of altered hematopoietic niche mechanisms mediated by transcriptional coregulator complex Mediator
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26460677
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
伊藤 光宏 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (50362794)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生体分子 / 生理活性 / 内科 / 発現制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
基本的転写共役因子複合体MediatorのサブユニットMED1を欠損する間質細胞は造血支持能が低下する。MED1欠損間質細胞において発現が低下する分子を網羅的に検索し、これまでに複数の造血ニッチ分子候補を見出している。今年度はこの中で、特にPeriostinを検討した。Periostin は細胞外マトリックス蛋白の一つであり、骨芽細胞などの機械的ストレスを受ける組織や、種々の癌組織において高発現する分子として知られている。私達は昨年度までに、骨髄間質細胞が産生するPeriostinが正常造血幹細胞支持能を持つことを明らかにしている。そこで今年度、果たしてPeriostinが正常のみならず白血病幹細胞をも支持するのか、検討した。白血病幹細胞の性質を持つニッチ依存性骨髄芽球性白血病細胞株MB-1 を骨髄間質細胞と共培養を行ったところ、抗Periostin 抗体を添加した系でMB-1 細胞数、DNA 合成量、敷石状領域数が有意に低下した。また、MB-1 細胞と骨髄間質細胞の共培養にリコンビナントPeriostin を添加したところ、MB-1細胞数とDNA 合成はリコンビナント蛋白添加群で有意に増加したが、敷石領域数に有意な差は見られなかった。昨年までの研究により種々の骨髄間質細胞ではPeriostin がそれぞれ異なるレベルで発現していることが判明しており、本研究で、MB-1 細胞との共培養によってMS-5 細胞またはOP-9 細胞でのPeriostin の発現が有意に増加することが明らかになった。以上の研究から、Periostinが正常および悪性造血幹細胞を支持する重要な造血ニッチ機能を担うことが示唆される。
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