2014 Fiscal Year Research-status Report
| Project/Area Number |
26460690
|
|---|
| Research Institution | Kobe Tokiwa University |
|---|
Principal Investigator |
坂本 秀生 神戸常盤大学, 保健科学部, 教授 (30225817)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
| Keywords | Cables / p53 / アポトーシス |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
研究者は本研究を申請する以前より、卵巣がんや大腸がんにおいてCables発現が減少していることを確認してきた。「がん部位でCables発現が抑制していた」事実と、「Cablesがアポトーシスに関与する」複数の報告から、細胞がん化への過程で、Cables発現が上昇してアポトーシスを誘導し、暴走化する細胞をなくす「がん抑制化機能」があると仮設を立て、この仮説を証明しようと研究をすすめた。Cablesの発現機序とアポトーシスの関係を解析することで、Cablesが関与するアポトーシスメカニズムを明確にしようと、初年度は卵巣がん培養細胞を用い、細胞内でCables発現を任意に調整できる実験系の確立を目指した。
26年度にはCablesの発現量の違いにより、Cablesがもたらすアポトーシスと密接に関わると仮定したp53の機能、または量的変化があるかを確認するため、発現薬剤濃度依存的にCablesタンパク質発現量を細胞内で任意に調整可能な実験を作成した。この細胞系を用い、p53発現量の変化またはp53リン酸化能の変化を追跡する系を組み立てた。このシステムを作成するのに時間はかかったが、薬剤濃度依存的にCablesタンパク質の発現量が変化する卵巣がん由来の培養細胞クローンを作成できた。
細胞内Cables発現調節細胞系を用い、Cables発現量依存的にp53の発現量が変化するか検討を始めたが、現時点では再現性ある明瞭な結果を得るには至っていない。そこでこの細胞系を用い、細胞内でのCables発現上昇はどのような変化を細胞に与えるか、特にアポトーシス関連物質との関連を現在は行っている。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞内Cables発現調節細胞系の作成に予想外に手間どったが、目的導入遺伝子誘導剤に反応し、目的遺伝子であるCablesタンパク発現量が増強するクローンを得た。ただし目的導入遺伝子発現薬剤濃度との再現性が芳しくなく、p53との関連性を明瞭に示すことがまだ出来て無い。
この点については目的遺伝子であるCablesによるリーキー発現の可能性も否定できず、時間をかけても再現性ある系を確立できるよう明示できるよう調整中である。当初の予定ではCablesによるp53リン酸化部位をの特定まで行う計画であったが、まだその過程であり、やや遅れていると認めざるを得ない。
|
| Strategy for Future Research Activity |
目的遺伝子の過剰発現を細胞内での誘導発現でなく、外来挿入としてプラスミドベクターを用いて遺伝子を導入する際、生じた変化が遺伝子そのものによる影響かるプラスミドベクターによるアーチファクトが原因で起こった現象化を区別する必要がある。そこで本研究では細胞内でCables発現を任意に調整できる実験系を用いることが理想的として、細胞内Cables発現調節細胞系の作成も行った。しかし、細胞内目的遺伝子発現調整実験の構築で時間をとられすぎるのは好ましく無いので、Cablesプラスミドを用いた実験を並行しながら以下を遂行予定である。
Cables発現によるp53のリン酸化及びアセチル化部位の同定を、ウエスタンブロット法を主な手法として行う。p53のリン酸化又はアセチル化部位から関連する物質の同定から、Cablesの関与する新たなアポトーシス経路の解明を行う。
|
| Causes of Carryover |
26年度に購入予定であった試薬等が当初予想より安価に購入出来、結果的に研究費支出の抑制に繋がった。
また26年度に実施を予定していた実験のうち一部を年度内に行えず、購入予定であった試薬や消耗品の購入を行わなかったため。
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度中に実施予定であった免疫沈降法pull downを27年度に実施予定であり、その試薬及び消耗品の購入に使用する計画である。
|
Research Products
(3 results)
