2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of transcription factor that regulates intelectin-1 expression in mesothelioma
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26460692
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Research Institution | Kanagawa Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
辻 祥太郎 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, 主任研究員 (30285192)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中皮腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の過程で得られた抗中皮腫抗体SKM9-2について、感度と特異度を詳しく解析した。95症例の中皮腫を用いた免疫組織染色の解析から、インテレクチン-1を含む既存のすべての中皮腫マーカーよりも優れた感度(92%)と特異度(99%)を示すことが明らかとなった。また、主要な正常臓器での反応は確認されなかった。従って、SKM9-2は中皮腫の病理診断において優れたマーカー抗体として使用でき、中皮腫の診断精度の向上に貢献すると考えられた。 SKM9-2はHEG1を認識しており、HEG1の発現抑制により中皮腫細胞株の増殖が強く抑制されることが見いだされた。HEG1の発現を強力に抑制するsiRNAを開発し、中皮腫細胞株を用いて細胞増殖への効果を解析したところ、複数の細胞株で増殖抑制効果が確認された。一方で、HEG1の発現量の低い細胞では増殖抑制効果は確認されなかった。これらの結果より、HEG1を高発現する中皮腫細胞ではHEG1依存的な増殖が起こっており、HEG1の発現が中皮腫の発がんと増殖に関与することが考えられた。 HEG1の発現をRT-PCRにて解析したところ、中皮腫のほかに心臓や肺でも少量のmRNAの発現が見られた。インテレクチン-1の発現分布とは一致しなかった。心臓や肺はSKM9-2で免疫染色されず、HEG1は中皮腫特異的な翻訳後修飾を受けていると考えられた。HEG1の糖鎖解析を行ったところ、多数のO型糖鎖修飾が確認され、HEG1がムチン様の蛋白質であることが明らかとなった。ムチン様蛋白質は優れた体液性がんマーカーとなりうることが知られており、HEG1も中皮腫の体液性がんマーカーとして応用できる可能性が考えられた。 本年度の解析から、HEG1が中皮腫のがん関連蛋白質であり、HEG1を介した中皮腫特異的な発がんと増殖機構が存在する可能性が見いだされた。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] HEG1 is a novel mucin-like membrane protein that serves as a diagnostic and therapeutic target for malignant mesothelioma.2017
Author(s)
Shoutaro Tsuji, Kota Washimi, Taihei Kageyama, Makiko Yamashita, Rieko Matsuura, Tomoyuki Yokose, Yoichi Kameda, Hiroyuki Hayashi, Takao Morohoshi, Yukio Tsuura, Toshikazu Yusa, Takashi Sato, Hisashi Narimatsu, Yasuhiro Moriwaki, Hidemi Misawa, Kenzo Hiroshima, Yohei Miyagi, and Kohzoh Imai, et al.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 7
Pages: 45768
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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