2015 Fiscal Year Research-status Report
牛車腎気丸に含有される新規標的分子のナトリウムチャネルを介する疼痛制御機構の解明
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26460703
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
天野 託 国際医療福祉大学, 薬学部, 教授 (10294547)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナトリウムチャネル / 痛み / 漢方 / 電気生理学 / パッチクランプ |
Outline of Annual Research Achievements |
Nav1.7安定化発現HEK293(ヒト胎児腎細胞)細胞株を用い、附子末と附子末を含有しない六味丸のNav1.7に対する作用をパッチクランプ法を用いて電気生理学的に検討した。 温熱抽出された附子末の投与により、Nav1.7チャネルのピーク電流は、(0.003mg/mL、0.006mg/mL、0.015mg/mL、0.03mg/mL、0.3mg/mL、3mg/mL)用量依存的な抑制が認められた。用量反応曲線からEC50は0.01751 mg/mLであった。附子末の不活性化曲線には、0.3mg/mL附子末存在下では、不活性化曲線の過分極側へのシフトが見られた。さらに、六味丸の投与により、Nav1.7チャネルのピーク電流は、(0.0125mg/mL、0.025mg/mL、0.25mg/mL、0.5mg/mL、1mg/mL、2mg/mL)用量依存的な抑制が認められた。。用量反応曲線からEC50は0.22689 mg/mLであった。六味丸の不活性化曲線は、controlに比べ、0.5mg/mL六味丸存在下では、附子末と異なり不活性化曲線の過分極側へのシフトは認められなかった。 以上のことより、附子末および六味丸の投与により、Nav1.7チャネルのピーク電流の濃度依存的な抑制が認められた。また、附子末を含まない六味丸にもNav1.7チャネルの抑制に関与している生薬が存在すると考えられた。さらに、附子末存在下では、不活性化曲線の過分極側へのシフトが見られ、六味丸存在下では、不活性化曲線の過分極側へのシフトは認められなかったことから、附子末に不活性化曲線の過分極側へのシフトさせる成分が含まれていると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Nav1.7とTRPチャネル共発現する。細胞の作成に手間取っているが、概ね研究は順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
六味丸を構成する生薬の中から、ナトリウムチャネル電流の抑制に関与する生薬成分を電気生理学的に探索していく。
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Causes of Carryover |
Nav1.7とTRPチャネル共発現細胞の作成の進行が遅れているために、使用する金額が抑えられている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後、細胞の作成のにDNAの購入などで使用金額が増える予定である。
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Research Products
(4 results)