2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of pain control mechanism via sodium channel of novel target molecule contained in herbal medicine Goshajinkigan
Project/Area Number |
26460703
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
天野 託 国際医療福祉大学, 薬学部, 教授 (10294547)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ナトリウムチャネル / 牛車腎気丸 / 疼痛 / 六味丸 / 附子末 / 電気生理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
HEK293細胞にナトリウムチャネルのサブタイプであるNav1.7を発現させ、パッチクランプ法を用いて、電気生理学的にナトリウムチャネルのサブタイプであるNav1.7に対する牛車腎気丸およびその生薬成分について検討した。 牛車腎気丸はNav1.7ナトリウムチャネル活性化のピーク電流を抑制し、不活性化曲線を過分極側へシフトさせた。さらに、六味丸はNav1.7ナトリウムチャネル活性化のピーク電流を抑制したが、不活性化曲線には影響を与えなかった。また、牛車腎気丸の生薬成分である、地黄、牛膝、山茱萸、山薬、車前子、沢瀉、茯苓、牡丹皮、桂皮、附子の各種に置いて検討を行った。附子、牡丹皮、桂皮、車前子はNav1.7ナトリウムチャネル活性化を抑制する作用が認められた。さらに、牛車腎気丸で認められる不活性化曲線の過分極側へのシフトは附子のみで認められた。 附子に含まれる、ネオリン、牡丹皮に含まれるペオノール、桂皮に含まれるケイヒアルデヒドにもNav1.7ナトリウムチャネル活性化のピーク電流を抑制が認められた。 以上の結果より、牛車腎気丸はNav1.7ナトリウムチャネル活性化と不活性に関与し、痺れや痛みの抑制の一部関与している可能性があることが示唆された。しかし、各種生薬成分には様々な化合物が存在するため、疼痛制御機構の解明のため、さらなる探索が必要である。
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