2015 Fiscal Year Research-status Report
TRPチャネルを介したAMPキナーゼによる疼痛制御とその分子機構の解明
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26460713
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
戴 毅 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (20330441)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | TRPA1 / AMPK |
Outline of Annual Research Achievements |
H27年度の研究計画に従い、下記の実験を行った。一定の成果が得られた。 1.TRPチャネルとAMPK、リン酸化AMPKの膜タンパク発現を確認した。TRPV1、TRPA1、AMPK、リン酸化AMPKの抗体を用いて、正常ラットの後根神経節(DRG)ニューロンの膜タンパクを分画し、免疫染色を行った。AMPKの活性化は膜タンパクにおけるTRPA1発現の増加が認められた。対照的にTRPV1は変化がなかった。 2.神経障害性疼痛動物モデルを作製し、AMPKの活性化変化を解析した。抗がん剤誘発性ニューロパチーなどの動物モデルを作製し、Western Blot法、免疫染色法でDRGニューロンにおけるAMPKおよびリン酸化AMPKの発現変化を検討した。モデルにおけるAMPKリン酸化の増強傾向が認められた。 3.TRPA1を安定的に発現するHEK細胞株の作製を試みた。電気生理学解析のため、TRPA1の安定発現HEK細胞系を作製した。一部未発現細胞が混在する問題が残るが、電気生理的な解析に使用可能と判断した。 4.AMPKによるTRPチャネル機能調節機構を解析した。TRPA1が強制発現したHEKやDRG培養細胞を用い、AITC (TRPA1 agonist) を投与することで発生する内向き電流をホールセルパッチクランプ法で測定した。培養液の浸透圧や糖分の濃度を変化させ、AMPK活性化の状態を誘導し、AITC電流の変化を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、下記の研究を行い、一定な成果を得られたので、研究は概ね順調に進展していると判断した。 1.TRPチャネルとAMPK、リン酸化AMPKの膜タンパク発現を確認した。 2.神経障害性疼痛動物モデルを作製し、AMPKの活性化変化を解析した。 3.電気生理学解析のため、TRPA1の安定発現HEK細胞系を作製した。 4.AMPKによるTRPチャネル機能調節機構を解析した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、研究計画とおりで、以下の研究を行う予定。 1.TRPA1細胞内ドメインのAMPKバインディングサイトとリン酸化サイトの同定 2.平成27年度に引き続き、AMPKによるTRPチャネル機能調整機構の解析(Patch Clamp法)を行う。 3.行動薬理学実験を用いてAMPKとTRPの関係およびAMPKの疼痛制御を確認する。
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Causes of Carryover |
計画通り研究を実施したが、順調に進んだため経費の節約ができ、少額の未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に使用する消耗品の購入費用に充当する予定である。
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Research Products
(5 results)