2015 Fiscal Year Research-status Report
マルチセンサ型高感度リアルタイム患者被曝線量測定管理システムの開発
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26460716
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
洞口 正之 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (20172075)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 放射線測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
IVRは、X線透視撮影時間が非常に長くなる傾向にあるため、患者の放射線被曝線量増加が世界的に重大な問題となっている。IVR時の患者放射線障害回避の為には、正確な患者被曝線量を「リアルタイム」に測定する必要があるが、この目的に叶うリアルタイム線量計は現存していなかった。 申請者等は、X線シンチレータと光ファイバーケーブルとフォトダイオードを用いた、高感度な「マルチセンサ型リアルタイム患者被曝線量計の試作に成功した。X線管電圧や線量率など等を変化させてプロトタイプ線量計の基本特性比較評価を詳細に行った。診断用X線装置を用いて、人体ファントムのX線透視・撮影を行い、プロトタイプ線量計の諸特性を評価した。また旧来使用されていたSDM線量計とも比較した。電離箱式基準線量計(予め日本品質保証協会で国家標準と較正済み)との相互比較を行い正確な線量評価(換算係数の決定)を行った。また、X線検出部のX線透過性の評価(画像評価等)を行い、検出部等が邪魔にならないか検討した。その結果、プロトタイプ線量計の基本特性はSDM線量計と同等以上であり、有用性が確認できた。さらにこれらの初期成果は、国際的に著名な英文誌であるAJR誌(American Journal of Roentgenology)に掲載された。 よってプロトタイプ線量計は、IVR時の患者放射線障害回避の為に大いに役立つ可能性があることが示唆された。 ・連携研究者:千田 浩一 ・主な研究協力者:中村 正明、稲葉 洋平
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
試作器の開発に成功し成果を著名な英文誌に公表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
・リアルタイム線量計の検出部の改良と臨床的検討 リアルタイム線量計(プロトタイプ)のX線検出部を、IVR中などにおけるX線透視画像の邪魔になり難いよう検出部をさらに小型化する。そして諸特性を再確認する。そして実際のIVR臨床にてリアルタイム線量計を使用し評価する。
・リアルタイム線量計データのPC解析 リアルタイム線量計の線量データを、PCに取り込み、リアルタイム表示やデータ解析やデータ保存管理ができるソフトを開発する。
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Causes of Carryover |
予定していた国際学会出張等を取り止めたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
成果発表等にための国際学会出張等への旅費等に活用する予定である。
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Research Products
(3 results)