2016 Fiscal Year Annual Research Report
Optimization of the system for reducing the interplay effect in scanning irradiation
Project/Area Number |
26460719
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
神澤 聡 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (60726727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榮 武二 筑波大学, 医学医療系, 教授 (60162278)
照沼 利之 筑波大学, 医学医療系, 助手 (40361349)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 粒子線治療 / 呼吸性移動 / インタープレイ効果 / 動体ファントム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、粒子線治療におけるスキャニング照射法を呼吸性移動を伴う腫瘍に対して適用するとき問題となる線量分布の悪化(インタープレイ効果)を、臨床適用に耐え得る程度に十分に評価し、照射パラメータを最適化することを目的とする。この目的を達成する方法として、計算機シミュレーションではなく照射実験が重要であると考え、患者の体の構造と動きを模した動体ファントムを開発することとした。 開発した動体ファントムは、外見は人体の形状をしていないが、不均質な構造をもち直線的な周期運動ではない呼吸性移動する人体の自由度を最大限に再現したものである。具体的には、水ファントム中で標的を呼吸性移動させ、体構造の多様性は水ファントムの4面の壁の形状を変えることにより実現し、標的駆動システムには3次元並進運動に加え1軸回転運動を導入し、水ファントム自体の1次元並進運動により横隔膜の動きを再現した。さらに、標的前方に、2次元並進運動する肋骨などを模した不均質物体、および、水等価厚を変化させる1軸並進運動するダブル・ウェッジシステムを設置した。また、呼吸同期信号を取得するために上下1軸運動するステージを置いた。そして、プログラムにより上記合計9軸の運動を連動させた。 横隔膜直下の腫瘍を模して標的と水ファントムのみを頭尾方向に動かし、拡大ビーム照射法であるが、呼吸同期下での照射実験を行った。さらに、位置ずれを起こし、粒子線特有の飛程を考慮したマージンが有効に機能していることを確認できた。 こうした高機能な動体ファントムは他に類を見ないものであり、実際の治療に則した実験データを提供することが可能となる。また、インタープレイ効果の評価とともに、体動・位置ずれにロバストな新たな粒子線治療計画手法の実験的検証にも用いることができる。
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Research Products
(1 results)