2015 Fiscal Year Research-status Report
TractographyとfMRIを用いた運動及び言語関連神経描出による手術支援
Project/Area Number |
26460721
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 雄一 東京大学, 医学部附属病院, 診療放射線技師 (70420221)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | MRI / 拡散強調画像 / 定量画像 / tractography / 錐体路 / 弓状束 / QBI |
Outline of Annual Research Achievements |
高速撮像法であるMultiband EPIを本研究で主に用いる撮像時間が比較的長いQBI(Q-baii imaging)解析に用いて、従来法で描出したtractographyとの運動神経(錐体路)描出の比較検討を行った。健常人15名のデータを用いて解析した結果、有意差なく運動神経を描出できるが、描出する容積としては減少することが分かった。 この際、tractographyの描出能を定量的に評価するシステムを考案し、これらを含め国内学会にて報告した。このシステムは、物理評価だけではなく、視覚評価の代役としても用いられる可能性が示唆され、その結果を次年度の国際学会で報告することになっている。 また、同一データを用いて、言語関連神経(弓状束やfrontal aslant tract)の描出傾向も検討した結果、同様の傾向であることが分かった。従って、患者での応用の際は、長時間撮像対応可能であれば従来法の方が良く、できるだけ時間を短くした場合は、Multiband EPIを使用した方が、動きの影響を可能な限り排除して、tractographyを描出できると考えられた。 この検討を踏まえ、健常人ボランティアおよびガンマナイフ治療前の脳疾患患者において、最適化したQBIと従来通常臨床で用いられるDTI(拡散テンソル画像)を撮像・解析し、運動神経と言語関連神経描出比較を行った。前者のほうが優位に神経走行を描出することが分かり、手術支援としての有用性が示唆された。 またfMRIに関しては、健常人ボランティアにてデータ収集および解析を行い、優位な賦活部位が得られることが確認できた。次年度脳疾患患者での適応する状態となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
拡散強調画像に関して、ほぼ予定数である健常人男性15名に対して、従来法で描出しているtractographyの神経走行描出能を担保しながら、撮像時間短縮できたため。また、その評価システムを構築することができたため。 加えて、脳疾患患者においても検討を始めることができたため。 fMRIに関しては、前年度に構築した条件を用いて、健常人ボランティアを撮像した結果、目的とした賦活領域を得ることができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、適時条件の最適化を健常人ボランティアに対して行い、術前の脳疾患患者へのさらなる応用および有用性の検討を目指す。 また、術前・術後の比較ツールとしての検討も行っていく予定である。
|
Research Products
(3 results)