2014 Fiscal Year Research-status Report
陽子線治療におけるワブラー照射法に対する高精度線量計算法・患者校正値算出法の開発
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26460739
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
堀田 健二 独立行政法人国立がん研究センター, 臨床開発センター, 医学物理士 (60616134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 良介 独立行政法人国立がん研究センター, 臨床開発センター, 研究員 (20392227)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 陽子線治療 / 線量シミュレーション / 患者校正値算出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は陽子線治療の照射法の一つであるワブラー照射法の高精度化を目的とし、高精度線量計算法と患者校正値算出法を開発するものである。本研究により投与線量精度の向上並びに治療業務の省力化が期待される。 まずワブラー照射法における線量シミュレーション法を開発し、治療計画装置に実装した。正確な線量シミュレーションにはワブラー電磁石の配置を反映した入射ビームモデルが必要であり、先行研究を参考にしてこれを構築した。二重散乱体法用に開発された簡易モンテカルロ法と接続し、治療計画装置に実装した。GPGPUによる高速化も実施した。 次いでワブラー照射法に対する患者校正値を算出するための基礎データ測定を実施した。患者校正値算出モデルとして、患者間で共通するデバイスに依存するファクターと患者固有のデバイスに依存するファクターに分離し、前者は測定によりテーブル化し、後者は上述の線量シミュレーションにより計算する方式とした。先行研究からシミュレーションの精度が照射野サイズに依存することがわかっており、その補正に必要なデータも取得した。 以上の取り組みにより患者校正値算出法のプロトタイプが構築された。しかしながら前立腺の症例を中心に本患者校正値算出法による計算結果を過去の患者校正値実測結果と比較したところ、その計算精度は不十分であった。誤差を解析した結果、照射野サイズ補正項の改良が必要であることが判明し、来年度はこの改良に着手する。 本年度の結果の成果の一部を論文として投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は計画よりも順調に進捗し、来年度に予定していた内容も実施できた。しかし期待した結果が得られず、計画に一部見直しが生じた。修正の目処は立っており、この作業を含めるとほぼ当初の計画通りの進捗と見積もられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で判明した照射野サイズ補正項の改良を行い、再度計算精度の検証を実施する。当初の計画に復帰し、様々な症例で線量検証を行い、有効性を確認する。
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Causes of Carryover |
所属施設の業務により予定していた学会への参加ができなかった。雇用していた研究補助員の欠勤があった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究進捗のため、人件費として活用する。
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