2014 Fiscal Year Research-status Report
既存コホートを活用した血清脂肪酸分画と生活習慣病発症のリスクの検討
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26460752
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
佐藤 恭子 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00381989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 朝茂 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10381980)
圓藤 吟史 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20160393)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 疫学 / 脂肪酸 / 生活習慣病 |
Outline of Annual Research Achievements |
食事調査による脂肪酸の摂取量と虚血性心疾患や生活習慣病との関連性が報告されてきた。最近、バイオマーカーとして血清の全脂質構成脂肪酸分画の測定が可能となったが、血清の全脂質構成脂肪酸分画と生活習慣病の関係、さらに、その原因と考えられるインスリン抵抗性・全身の脂肪蓄積に関しての検討はほとんどない。 血清の全脂質構成脂肪酸分画と生活習慣病などの関係を横断的および縦断的に検討するため、我々が平成17年から行っている既存の前向きコホート研究を有効活用することとした。我々は平成17年から大阪府堺市の鳳総合健診センターの男性受診者を対象に、さらに平成20年からは女性受診者を対象にしたCT撮影による腹部内臓脂肪を用いた前向きコホートを立ち上げており、中高年男女約1650名の登録を終えて現在追跡調査を実施中である。この既存のコホート研究の登録時の凍結保存血清を用いて追跡調査が完了した者の血清の全脂質構成脂肪酸分画を測定することとした。すなわち、登録時は中高年男女約1650名であるが、今回の研究の対象者として、追跡調査が完了した者から800名を抽出した。登録時の血清は-80℃にて凍結保存されているため、それらを解凍して、バイオマーカーとして血清の全脂質構成脂肪酸分画を一括して測定する予定であった。しかし、より特異性が高い液体クロマトグラフィータンデム質量分析法で測定することが最近可能となったため、平成26年度後半に、予定していたガスクロマトグラフィー法ではなく、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法にて測定することにした。この変更により、平成26年度は一括測定できなかった。次年度に測定する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
従来、全脂質構成脂肪酸分画の分析はガスクロマトグラフィー法が一般的であったが、液体クロマトグラフィー質量分析計の普及に伴い、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法により測定することが可能となった。ガスクロマトグラフィー法より液体クロマトグラフィータンデム質量分析法は①特異性が非常に高い、②煩雑な誘導体化工程が不要の2点で優れている。 よって、平成26年度後半に、全脂質構成脂肪酸分画の検査方法を予定していたガスクロマトグラフィー法から液体クロマトグラフィータンデム質量分析法に変更することとした。この変更に伴い、検体数が800件と多いため、平成26年度内には測定できなかった。次年度に測定する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
課題1. 登録時の凍結保存血清を有効活用し、血清の全脂質構成脂肪酸分画を測定する(研究代表者である佐藤、研究分担者である林)。1)研究対象者:追跡調査が完了した800名。2)検査項目:血清の全脂質構成脂肪酸分画を液体クロマトグラフィータンデム質量分析法により測定する。3)データ管理:大阪市立大学大学院医学研究科産業医学にて行う。 課題2. 横断的に血清の全脂質構成脂肪酸分画と生活習慣病との関連性を検討する(研究代表者である佐藤、研究分担者である林) 。 課題3. 横断的に血清の全脂質構成脂肪酸分画と腹部皮下脂肪面積・大腿部皮下脂肪面積・腹部内臓脂肪面積との関連性を検討する (研究代表者である佐藤、研究分担者である林) 。 課題4.横断的に血清の全脂質構成脂肪酸分画と異所性脂肪蓄積としての脂肪肝や大腿部のCT値との関連性を検討する (研究代表者である佐藤、研究分担者である林) 。 課題5.縦断的に血清の全脂質構成脂肪酸分画と生活習慣病との関連性を検討する (研究代表者である佐藤、研究分担者である林) 。 課題6.横断的かつ縦断的に血清の全脂質構成脂肪酸分画とインスリン抵抗性の関係を検討する (研究代表者である佐藤、研究分担者である林) 。
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Causes of Carryover |
前述した通り、平成26年度後半に、全脂質構成脂肪酸分画の検査方法を予定していたガスクロマトグラフィー法から液体クロマトグラフィータンデム質量分析法に変更したことや検体数が800件と多いことから、平成26年度内には測定できなかった。よって、血清の全脂質構成脂肪酸分画の測定代金として@3,456円×800名分の2,764,800円を使用しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は検査費用として、血清の全脂質構成脂肪酸分画の測定代金@3,456円×800名分で2,764,800円が必要である。旅費に関しては、学会発表に関する旅費(国内50,000円×1回、国外400,000円×1回)が必要である。その他の費用として英文校正料(20,000円×1回)、研究成果投稿料(70,000円×1回)が必要である。
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