2016 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of the relationship between Helicobacter pylori infection and osteopenia in Japanese healthy adults.
Project/Area Number |
26460761
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
珍田 大輔 弘前大学, 医学研究科, 助教 (60637544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中路 重之 弘前大学, 医学研究科, 教授 (10192220)
下山 克 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (50312492)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ヘリコバクターピロリ感染 / 骨密度 / エストロゲン濃度 / カルシウム摂取量 |
Outline of Annual Research Achievements |
一般に骨粗鬆症の原因として、女性ではエストロゲンの分泌低下が主要因である一方、男性ではカルシウム(Ca)の吸収の低下、飲酒、喫煙など様々な二次性の要因が考えられているが、その病態は明らかではない。近年ヘリコバクターピロリ(HP)感染と骨粗鬆症の関連を指摘する報告もあるが、エストロゲンやCa摂取量が併せて検討されていなかった。本研究ではこれらの因子に骨密度低下に関連があるといわれている生活習慣を加え、各因子の骨密度への影響を検討した。 2014年青森県弘前市岩木地区の一般健診を受診した健常男性295名、健常女性473名を対象とした。骨密度は超音波骨評価装置で測定した。HP感染は血清抗体と便中抗原を測定し、両者が陽性の場合を感染者、両者が陰性の場合を非感染者とした。Caの1日摂取量は簡易型自記式食事歴法質問票を用いて1ヶ月間の食事メニューより算出した。解析は年齢、BMI、喫煙習慣、飲酒習慣、運動習慣、就学期間、HP感染、エストラジオール濃度、Ca摂取量を独立変数、骨減少症の有無を従属変数とし、多重ロジスティック回帰分析により調整オッズ比を算出した。 男性では単変量および多変量解析で年齢のみが骨減少の関連する因子だった。一方女性では単変量解析でHP感染と骨減少に有意な関連を認めたが、多変量解析での有意な因子ではなく、エストラジオール、Ca摂取量が骨減少と正の関連、年齢 、BMI、就学期間は負の関連があった。 HP感染と骨減少症の間に有意な関連は認めらなかった。本来の交絡因子(エストラジオールやCa摂取量)が多変量解析に投入されることで過去の報告と異なる知見が得られたと考えられた。日本ヘリコバクター学会の「H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版」でも骨減少はHP関連疾患とされておらず、それを支持する結果となった。
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Research Products
(3 results)