2014 Fiscal Year Research-status Report
出血性脳血管疾患の発症と予後への可溶性FasとIGF-Ⅰの影響に関する疫学的研究
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26460763
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山海 知子 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10241829)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 出血性脳血管疾患 / 危険因子 / IGF-Ⅰ / 細胞増殖因子 / 可溶性Fas / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成23~25年度文科省科学研究費助成事業、基盤研究C(一般)「アポトーシス並びに細胞増殖因子と出血性脳血管疾患に関する前向き疫学研究」を研究代表者として実施し、現時点で、69歳以下の比較的若年の出血性脳血管疾患発症者における発症前のsFasとIGF-Ⅰの測定を実施し、コホート内症例対照研究の手法を用いて解析を行った。その結果、発症前の血清中sFas平均値においては脳内出血、くも膜下出血、全出血性脳血管疾患何れの症例群と対照群との間にも有意な差が認められなかったが、IGF-Ⅰにおいてはくも膜下出血、全出血性脳血管疾患の症例群の平均値が対照群のそれに比べての有意に低かった。(山海ら、第72回日本公衆衛生学会総会(三重);2013)IGF-Ⅰが低いことが比較若年の出血性脳血管疾患、特にくも膜下出血の発症リスクを上昇させる可能性が示唆された。平成26年度以降は、追跡コホート内75歳以上の出血性脳血管疾患を追加し、発症について解析すると同時に予後についてもコホート内症例対照研究の手法を用いて検討を試みる予定である。これらの一連の研究によって、脳血管疾患の予防対策を今後一層推進するために、既に実施されている高血圧、喫煙等の生活習慣に係るリスクファクター以外の新たなリスクファクターやバイオマーカーの可能性が示唆できると考える。 平成26年度は、症例と対照の保存検体の選出と生命予後並びに機能予後に関するデータの確認(把握と整理)を行った。平成27年度に保存検体の測定を完了し、統計解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究のための分析対象となる対象コホートの追跡データは、ほぼ解析可能な形に整理できたが、出血性脳血管疾患の症例と対照の-80℃凍結保存血清の選び出し後、保管していた冷凍庫の故障等のトラブルがあり、血清には被害はなかったが、平成26年度に測定を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に全ての血清の測定を完了し、発症後の予後に関するデータを整理し、統計解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度は、症例と対照の保存検体の選出と生命予後並びに機能予後に関するデータの確認(把握と整理)を行った。研究のための分析対象となる対象コホートの追跡データは、ほぼ解析可能な形に整理できたが、出血性脳血管疾患の症例と対照の-80℃凍結保存血清の選び出し後、保管していた冷凍庫の故障等のトラブルがあり、血清には被害はなかったが、平成26年度に当初予定していた測定を行うことができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に平成26年度分も合わせて保存検体の測定を完了し、統計解析を行う予定である。
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