2016 Fiscal Year Annual Research Report
A surveillance of medical papers to correct inappropriate use of multivariate analysis and plan support for researchers
Project/Area Number |
26460764
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野島 正寛 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (00457699)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 多変量解析 / 疫学 / 臨床疫学 / 医学統計 / 生物統計 / 統計専門家 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】:医学研究分野において,「多変量解析」は,統計ソフトの普及により多くの研究者にとって身近なものとなった.しかしながら,生物統計学を専門としない研究者にとって,ソフトウェアを利用した実行の容易さと理解の困難さの乖離が大きく,非専門家間で根拠のないコンセンサスが形成されている場合もしばしば見られる.【目的】:学術誌に掲載された医学研究論文における多変量解析の実施手順の実態を明らかにする.【方法】Journal Citation Reports収載の学術誌より臨床医学・疫学を選択し,Impact factor (IF) に応じて階層化.Article数が200 / 年を超えているジャーナルを選択し,IF 6点以上の学術誌は全数抽出(71誌).同数の抽出を行うよう他の各層の抽出率を設定(71x4=284誌).選定されたジャーナルより,ロジスティック回帰/Cox回帰が行われている観察研究に関する論文をPubmedにて検索.【結果】今回の検討では,不適切な実施手順として「単変量解析で有意だった変数のみを利用する」という手法に着目した.その頻度は,ロジスティック回帰 8.6% (95%CI: 6.2-11.8%),Cox回帰 9.8% (95%CI: 5.1-17.9%).筆頭著者の所属部門(臨床+その他vs. 疫学・公衆衛生部門)について,IF, イベント数を調整した場合のオッズ比が疫学・公衆衛生以外である場合 OR 5.6, 95%CI: 2.8-15.2.多変量解析は交絡の調整および予測モデルの作成等を目的として実施されるが,今回のアウトカムで示されるようにいずれの目的に対しても適切でない方法が選択されている可能性がある.特に,疫学者等の専門家による研究でない場合にその頻度が高い.今後他の調査項目についても検討を進める予定である.
|