2016 Fiscal Year Research-status Report
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26460765
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
木津喜 雅 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (80431964)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 愛着スタイル / ソーシャルサポート / メンタルヘルス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、平成27年度の調査データを分析し、メンタルヘルスへの影響における、ソーシャルサポートと成人の愛着スタイルとの交互作用を示した。 K6調査票よりメンタルヘルス、JMS-SSS調査票より家族と友人からの情緒的・手段的サポートを、ECR-RS調査票より成人の愛着スタイルのスコアを得た。家族と友人からのサポート得点を合計し、ソーシャルサポート得点とした。ECR-RSの愛着不安得点と愛着回避得点を、中央値で高低に2分し、愛着スタイルを、安定型(低不安、低回避)、拒絶型(低不安、高回避)、とらわれ型(高不安、低回避)、恐れ型(高不安、高回避)に分類した。多重回帰分析を用い、性別、年齢、同居者、教育歴、就労、世帯所得について調整した。 愛着スタイルについて、39%が安定型、21%が拒絶型、16%がとらわれ型、24%が恐れ型に分類された。K6得点をアウトカムとした多重回帰分析で、拒絶型の愛着スタイルとソーシャルサポートとの間に、有意な交互作用を認めた(p=0.017)。愛着スタイルが安定型(β=-0.05、95%CI -0.10, -0.00)、とらわれ型(β=-0.07、95%CI -0.13, -0.01)、恐れ型(β=-0.09、95%CI -0.14, -0.04)の人では、ソーシャルサポート得点が高いほどK6得点が低い傾向にあった。愛着スタイルが拒絶型の人では、ソーシャルサポート得点とK6得点との間に有意な関連を認めなかった(β=0.03、95%CI -0.02, 0.08)。 ソーシャルサポートのメンタルヘルス予防的効果が愛着スタイルにより異なることが示唆された。愛着スタイルを考慮しない分析では、ソーシャルサポートの効果を過小評価する可能性があることを指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第1回調査のデータ解析を終了したため。
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Strategy for Future Research Activity |
愛着スタイルとメンタルヘルス、健康習慣、健康状態との関連について、さらに媒介分析を行う。研究成果を学術雑誌および学会において報告する。
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Causes of Carryover |
平成27年度に、調査方法を、一地域における郵送調査から全国を対象としたインターネット調査に変更したことで、全体の予算内訳を変更し、さらに平成28年度の所属組織の人事変更により、関連するデータを活用することにより、必要なデータを得ることができたため、平成30年度に追加調査用の費用を確保した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データの分析、研究結果の発表を追加するとともに、研究内容を補完するための調査も実施する。
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Research Products
(3 results)