2015 Fiscal Year Research-status Report
東日本大震災被災者の健康課題の把握とITを用いた支援方法の開発に関する研究
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26460775
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
坂田 清美 岩手医科大学, 医学部, 教授 (50225794)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 健康管理 / 健康診断 / 健康増進 / 被災者 / IT |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、平成23年度から平成25年度までの被災者健診成績を、縦断的に連結し、健康診査成績及び18歳以上問診票、65歳以上問診票を経年的に利用できるシステムを開発した。このシステムにより、アテネ不眠尺度による睡眠障害、K6による心の健康度、健康診査の有所見者を効率的に検索し、保健指導に利用できる体制を構築することができた。また、家庭訪問により把握できた血圧等の情報を端末より入力し、連結して管理できるシステムとした。加工したデータは大学の情報管理室に設置した健康情報統合サーバに保管し、保管したデータはネットワークを介し、自治体においても利用できる体制を構築した。このシステムにより家庭訪問先で、サーバよりタブレット端末にダウンロードし訪問時の情報を逐次更新することが可能となった。平成27年度は平成26年度の健診データの統合を完了した。また、保健師、栄養士より利用上の有効性および問題点を聴取し、修正した。これまで地区別、氏名のキーワードで検索するシステムとなっていたが、地区の移動が多く、氏名および生年月日による検索システムとして変更した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的はおおむね達成できている。研究費の執行が遅れている理由は研究機関と委託業者間の契約の締結に時間を要したことによるもので、研究の進捗自体は順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、平成23年度より平成27年度までのデータについて縦断的に連結する。また、アテネ不眠尺度による睡眠障害、K6による心の健康度の情報は経年的に得点が観察できるようにデータを加工する。健康診査の情報についても縦断的に利用できるように加工する。加工したデータを大学の情報管理室に設置する健康情報統合サーバに保管、更新する。健康情報統合サーバに保管したデータは、ネットワークを介し自治体においても利用できる体制を構築する。ここではセキュリティを保持するため、データ自体をルーターの機能により暗号化した上、SSL暗号化通信を利用する。サーバよりタブレット端末にダウンロードできるようにシステムを修正する。タブレット端末では、訪問先の過去5年間の情報が瞬時に取り出せる他訪問時の血圧の入力、訪問時に明らかになった健康課題、家族の問題、人間関係の問題等新たに明らかになった情報を入力できる仕様とする。訪問時得られた情報は、サーバに即日移行できる仕様とする。修正したシステムについて、実際のユーザーである保健師、栄養士から、さらに改善すべき点について聴取し、システムをより実用的になるよう修正する。
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Causes of Carryover |
研究自体は、順調に推移しているが、研究機関である岩手医科大とシステムの委託業者との間で交わすべき契約文書の作成、修正に時間を要し、次年度の使用額が発生したものである。平成28年度の早期に契約を締結し使用する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
システムの開発、サーバの設置、PCおよび端末の動作の確認は終了しし、次年度使用となった3,289,044円については、平成28年度の早期に使用予定である。
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