2015 Fiscal Year Research-status Report
医療費削減のための生活習慣病関連Quality Indicatorの開発
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26460780
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
高橋 英孝 東海大学, 医学部, 教授 (70271369)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Quality Indicator / 医療費 / 生活習慣病 |
Outline of Annual Research Achievements |
生活習慣病の医療費に影響を与えるQuality Indicator (QI)の開発を主目的とする。生活習慣病としては、高血圧症、糖尿病および脂質異常症を第一ターゲットとし、生活習慣など薬物療法以外の要因のうち、医療費の増減に寄与する指標を明らかにする。その後、QI候補として挙げられた生活習慣等の項目が変化したときに実際の医療費にどのような影響を与えるかについての縦断研究を実施し、QIが変化したときに医療費がどのくらい変化するかを明らかにする。 研究目的を達成するために、以下4課題に分けて取り組む。 【課題1】:医療費と問診情報を含む健診データとを突合させたデータベースを構築する。【課題2】:Quality Indicator (QI)候補となる生活習慣を選定する。【課題3】:データベースを経年的に追跡し、QI候補と医療費変化との関連を明らかにすることでQIを確定する。【課題4】:QI値の測定を全国レベルで実施する。 平成26年度は、トヨタ自動車株式会社とトヨタ自動車健康保険組合の協力を得て、被保険者であるトヨタ自動車グループ企業の従業員およびその家族である被扶養者の合計約23万人の中から高血圧症、糖尿病および脂質異常症で薬物療法中の者を抽出し、以後のデータをデータベースに追加する予定であったが、平成20年度よりトヨタグループ全社において4年に1度の節目健診(人間ドック相当の検査内容プラス栄養・運動に関する学習会)を導入しているため、その影響を考慮する必要が生じた。データベースの構造を大きく修正する必要があったため、平成27年度は修正した課題1を実施することになった。すなわち、生活習慣病で治療中の者に限定するのではなく、全対象者をデータベース化した後に治療の有無で分類して解析することにした。 現段階では課題1のデータベース構築の最終段階と課題2のQIについての解析を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
健診データおよびレセプトデータを突合し、さらに同一人の経年データを追跡可能な状態にする作業がほぼ終了した。平成18年3月31日以前に資格を取得し、平成18年3月31日時点で36歳以上、平成28年3月31日現在資格ありの3点の条件を満たす加入員を対象とすることにした。平成18年からの過去データは全てデータベース化し、以後の未来データも毎年追加登録することにした。データベースには、生年月日、性別、本人家族区分、レセプト(医科、歯科、調剤の点数)、健診結果、服薬状況(高血圧、糖尿病、脂質異常症)、既往歴(脳、心、腎疾患)、運動や栄養などの生活習慣が記録されている。4年に1度の節目健診受診年の間隔が必ずしも一定でないこと、節目健診受診回数が0~2回まで存在すること、レセプトデータは個人によって可変長であるために自動取り込みができないこと、などの理由からデータベース作成にかなりの時間を要し、進捗状況はやや遅れている。データベース構築にあたっては、専門的知識を有する者を研究員として採用し、研究の遅れを挽回しているところである。 現在、データベースに登録されているのは44126人であり、節目健診未受診群が6291人、節目健診受診群が37835人である。なお、節目健診未受診群であっても、法定健診は受診しているため、健診データは存在する。節目健診受診群のうち、24082人は2回受診している。
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Strategy for Future Research Activity |
データベースの整理が急務であり、そのためにトヨタ自動車株式会社およびトヨタ自動車健康保険組合との調整を行っている。 データベース完成後は速やかにデータ解析を実施し、課題2および課題3を平成28年度中に行う予定であるが、課題4の全国調査は実施時期の見直しを含めて検討中である。
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Causes of Carryover |
データベース設計に大幅な変更が生じたことと、追加作業を現在行っている途中であるため、データベース構築に関わる費用とデータ解析に関わる費用の使用が先送りになっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現段階では、過去分のデータベース構築まで完了し、追加のデータ登録作業に関わる費用が増加する見込みである。全国調査については規模を縮小して行う可能性があり、増加分と減少分を相殺すると当初の3年分の予算額には変更がないと考えられる。
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