2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of molecular-targeting cancer prevention by means of food factors
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26460792
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
吉田 達士 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80315936)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | TRAIL / RUNX1 / 脂肪酸代謝産物 / IRF-1 / 転写 / プロモーター |
Outline of Annual Research Achievements |
今までの研究により、脂肪酸代謝産物がTRAILの発現を調節することを見出していた。その発現制御メカニズムを解析し、白血病関連転写因子Runt-related transcription factor 1 [RUNX1 ;別名 Acute myeloid leukemia 1 (AML1)]がTRAILの発現を制御する転写因子であることを発見した。RUNX1は急性骨髄性白血病における染色体転座切断点からクローニングされた遺伝子であり、成体型造血、T・Bリンパ系細胞分化、そして血小板産生において重要となる転写因子をコードする。培養細胞にRUNX1を強制発現させることによってTRAIL mRNA量が増加することを見出した。次に、TRAILプロモーターを用いたレポーターアッセイによって、RUNX1はTRAILを転写レベルで制御していることを明らかにした。TRAILプロモーター内には2か所のRUNX1コンセンサス配列および2か所の類似配列が存在したが、興味深いことにこれらの配列に変異を導入してもRUNX1による転写制御に影響しなかった。プロモーター領域を欠失させて解析したところ、転写開始点近傍にRUNX1応答部位があることが判明した。この領域には、Interferon regulatory factor-1 (IRF-1)結合部位(IRE)が存在した。更に、RUNX1がIRF-1と会合し、IREを介してTRAILの転写制御を行っていることを明らかにした。これらの結果は、RUNX1がIRF-1と協調して標的遺伝子TRAILの転写制御を行っていることを示しており、本研究によりTRAIL発現制御の新規分子メカニズムを解明することができた。
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