2015 Fiscal Year Research-status Report
介護支援専門員への医療系ケアマネジメント教育は多職種連携改善をもたらすか
Project/Area Number |
26460832
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
広瀬 貴久 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (00566979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛谷 雅文 名古屋大学, 未来社会創造機構, 教授 (10283441)
鈴木 裕介 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院准教授 (90378167)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 介護支援専門員 / 医学教育 / 多職種連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
在宅医療を受ける要介護者の医療ニーズは高く、介護支援専門員(ケアマネジャー:CM)は介護系ケアプランと同様に適切な医療系ケアプランを提供することが望まれている。そこで28年度から始まるCM研修では、医療実地研修プログラム履修時間を増やすことで、このCM研修を受けるすべてのCMが適切な医療系ケアプランを作成することが出来るようになることが期待されている。当研究は現在、実際に医療系ケアプランを作成している現役CMにどのような特徴が観られるか整理し今後のCMの医学系教育方法を検討することを目的としている。 これまでの研究でCMが「医学知識が多い」と自覚があることは、同一事業所内で連携する職種数が多いこととは関連を認めず、同一事業所内で医師と連携していることと強い関連を認めた。また同一事業所内で医師と連携するCMは医療系ケアプラン作成時に扱う疾患や老年症候が多くなる可能性を示した。これらの内容は平成27年度の日本老年医学会、日本在宅医学会で報告した。 また、CMは医師や看護師との連携の有無にかかわらず、薬剤師、栄養士と連携していることで、医療系ケアプラン作成時に使用できる疾患数、老年症候数が多い可能性が示された。CMの医療系ケアプラン作成能力を向上する方策として医師や看護師以外のコメディカルとの連携強化が有効である可能性がでてきた。地域包括ケアでCMと連携している薬剤師、栄養士はまだ少ないが、これらの職種の地域包括ケアへの参加を増やすこともCMの医学教育に有効と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
グループワーク参加者の継続的な参加が困難であることが多く、グループワークによる参加者への教育効果の判定が困難であった。参加者が日常業務が忙しい中、木曜日限定で大学病院でグル-プワークを開催したためスケジュール調整や距離的な問題があったと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
CMが通年で継続的にグループワークを行うことを可能にするため、グループワークの場所を大学病院から地域の中核病院に移す(名古屋逓信病院)。この中核病院は月1回のグループワーク(葵フォーラム:CM、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、栄養士のグループワークを施行)を1年半(計16回)継続している実績がある。この病院に入院治療退院後の患者に関わるCMの事業所は病院から地理的にも近く通年の参加を期待できる。また、本科研でこれまでの研究成果としてCMは医師・看護師との連携以外にも、薬剤師・栄養士と連携していることで、医療系ケアプラン作成時に使用できる疾患数、老年症候数が多い可能性を示した。葵フォーラムではCMが毎回、薬剤師や栄養士とコミュニケーションがとれる環境を提供でき、CMと薬剤師・栄養士との関わりがCMの医学教育に影響があるか前向きに検討することが期待できる。
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