2015 Fiscal Year Research-status Report
地理情報システムを活用した救急医療評価システムの開発
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26460834
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
塩飽 邦憲 島根大学, 医学部, 特任教授 (10108384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱野 強 島根大学, 戦略的研究推進センター, 准教授 (80410257)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 地理情報システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、島根県下の消防本部救急搬送データを活用して、「救急医療評価システム」を開発し、人的・物的資源の適正配置への示唆を得ることである。 そうした中で、平成27年度の研究においては、搬送シミュレーションモデルの検討を行った。具体的には、収集した救急搬送データの中で地理情報システム(GIS:Geographic Information Systems)によって覚知発生場所が確定でき、かつ、覚知発生場所から医療機関までの推定搬送時間の算出が可能であった約5,000件の救急搬送事案について実搬送時間との相関分析を行った。その結果、両者間においては、概ね高い相関係数を得ることができた。 さらには、各救急搬送事案の実搬送時間に基づき、地理情報システム(GIS:Geographic Information Systems)を活用して、分析対象地域全体における推定搬送時間の算出を行った。解析の結果、実搬送時間が3分圏内、5分圏内、10分圏内、11分以上圏の人口数とその割合が明らかとなり、現在の救急体制がカバーしうる地理的範囲が具体的に示された。これによって、生存率の観点から、現行の救急体制に係る人的・物的資源の適正配置のあり方の議論が可能となった。 したがって、今後は、これまで得られた知見に基づき、推定搬送時間との比較を通して、人的・物的資源の適正配置のあり方について具体的な検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度想定していた解析を実施することができた。したがって、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究計画で示している通り、人的・物的資源の適正配置のあり方を具体的に検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
謝金による雇用で解析を進める予定であったが、データの購入によりその作業の短縮が図られた。追加解析もデータ購入により作業の短縮が図れる可能性があり、そのための費用とする。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記のとおり、追加解析に係るデータ購入費用として使用する予定である。
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