2014 Fiscal Year Research-status Report
中年期女性の尿失禁リスク要因解明と尿失禁への対処行動促進に関する研究
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26460838
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
原井 美佳 札幌市立大学, 看護学部, 講師 (80468107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 満 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50175634)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 尿失禁 / 中年期女性 / リスク要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
尿失禁はQOL(Quality of life)に大きくかかわる症候であるが、治療、健康支援に繋がらない潜在的有訴者も多い。女性においては、肥満、加齢、出産などのリスク要因が報告されているが、その研究対象は周産期・育児期、あるいは老年期であることが多く、50歳以上65歳未満の年代に限った研究は見出せない。この年代は次なる老年期に繋がる年代であることから、その尿失禁の有訴率と経年変化、およびリスク要因を明らかにすることは、老年期のQOLを検討するうえで不可欠である。 本研究は平成26年度から平成28年度の3ヶ年の縦断研究より、50歳以上65歳未満の女性の尿失禁の有訴率とリスク要因を解明し、この世代の人々が老年期に入った時に排尿に関するQOLを維持できるためのセルフケア、および健康支援について示唆を得ることを目的とする。 平成26年度はA市に居住する50歳以上65歳未満の女性から無作為抽出した800人に対し郵送法ならびに自記式質問紙法を用いた横断的調査を実施した。質問紙は、基本的属性、生活習慣、排尿についての25項目から構成し、回答には15分程度の時間を要する。本研究における「尿失禁あり」の定義は、ICIQ-SF(International Consultation on Incontinence-Questionnaire)の尿失禁頻度について「なし」以外の回答とした。その結果、平成26年度は173人から回答を得て、尿失禁ありと回答した人は59人(34.1%)であった(回答率21.7%)。過去の最大体重、喫煙指数、健康状態、膀胱疾患の既往、痔疾患の既往、母の尿失禁の既往など65歳以上75歳未満の女性の尿失禁のリスク要因は、50歳以上65歳未満の女性においては有意差はみられなかったことから、尿失禁のリスク要因は中年期女性においては前期高齢者とは異なり、年齢によって変化する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は平成26年度から28年度の3ヶ年の縦断研究より、50歳以上65歳未満の女性の尿失禁の有訴率とリスク要因を解明し、この世代の人々が老年期に入った時に排尿に関するQOLを維持できるためのセルフケア、および健康支援について示唆を得ることを目的とする。このうち平成26年度はA市に居住する50歳以上65歳未満の女性から無作為抽出した800人に対し郵送法ならびに自記式質問紙法を用いた横断的調査を実施した。その結果、173人から回答を得て、尿失禁の有病率ならびにリスク要因について解析を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度および28年度は、26年度の調査対象者173人へ追跡調査を実施し、各年度の尿失禁の有病率とリスク要因を解析する。そのうえで3ヶ年の尿失禁の有病率の推移と尿失禁のリスク要因について検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画を全て遂行し、物品の購入を合理的に行ったため予定よりも研究費をおさえることができたため当該助成金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該助成金は平成27年度の調査費に充当する予定である。
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