2015 Fiscal Year Research-status Report
中年期女性の尿失禁リスク要因解明と尿失禁への対処行動促進に関する研究
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26460838
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
原井 美佳 札幌市立大学, 看護学部, 講師 (80468107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 満 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50175634)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 尿失禁 / 中年期女性 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会における老年期の健康のためには、中年期からの健康管理が重要である。本研究の目的は、寒冷地に居住する中年期女性の尿失禁の状態について検討することである。 平成27年10月にA市の中年期女性800人を対象として自記式質問紙を用いた郵送法による追跡調査を実施した。本研究における「尿失禁あり」の定義は、ICIQ-SF (International Consultation on Incontinence -Questionnaire) の尿失禁頻度について、「なし」以外の回答とした。質問紙の調査項目は、基本属性、活動、体格、既往歴、家系的素因、生活習慣、ICIQ-SF日本語版などから構成した。 対象者800人のうち156人から回答を得て(回答率19.5%)、自己申告による尿失禁の有病率は37.2%であった。尿失禁の頻度は、「おおよそ1週間に1回、あるいはそれ以下」43人(27.6%)、「1週間に2~3回」9人(5.8%)、「おおよそ1日に1回」5人(3.2%)、「常に」1人(0.6%)であった。尿失禁の場面は、「トイレにたどり着く前」12人(7.7%)、「せきやくしゃみをしたとき」45人(28.8%)、「体を動かしている時や運動をしているとき」1人(0.6%)、「排尿を終えて服を着た時」1人(0.6%)、「理由がわからずにもれる」1人(0.6%)であり、尿失禁の有無と有意差がみられた(p≦0.000)。ICIQ-SFの平均値は1.82±2.62(0-11)でり、歩行時間が30分未満群と30分以上群で有意差がみられた(p=0.021)。疾患では糖尿病の既往歴が尿失禁の有無と有意な関連を示した(p=0.042)。 A市に居住する中年期女性の尿失禁有病率は37.2%であった。尿失禁の頻度は、「おおよそ1週間に1回、あるいはそれ以下」と比較的軽度であった。尿失禁の場面では、「せきやくしゃみをしたとき」の腹圧性尿失禁が有意に多かった。歩行時間は尿失禁に伴う生活の質に有意に影響にしていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に則り、対象者に2年目の追跡調査を実施し回答を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、回収率をより高めるため、平成27年度の追跡対象者だけでなく、初年度に無作為抽出した対象者全員に質問紙を郵送し回答を求める計画である。
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Research Products
(1 results)