2015 Fiscal Year Research-status Report
世界標準の地域連携システムを用いた標準化の課題と対策の調査検討
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26460863
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
近藤 博史 鳥取大学, 医学部附属病院, 教授 (70186857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺本 圭 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (40607800)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | SS-MIX2 / IHE-ITI-XDS / HL CDA / XML / StyleSheet / SS-MIX2 拡張ファイル / 退院時サマリ / 手術記録 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年はオーダ系以外の文書系帳票のデータについて匿名化抽出ソフトを開発し調査した。地域医療連携システムに接続する6病院から4病院3社の医師記録、看護記録、手術記録、退院時サマリーの文章を確認した。1病院は文書系の帳票データの出力が技術的にできなかった。1病院は内部の委員会で帳票類の院外参照を認めないことに決定していた。調査可能であった3社は当初よりHL7 CDA準拠での出力と説明していたが、各社のCDAファイルの項目は異なっており、単にデータベースから出力が容易なXMLファイルを各社各様に出力していたと判明した。CDA標準に関しては日本医療情報学会等では電子紹介状しか決定していなかったこと、担当工業会のJAHISも指針等を出していなかったことから、仕方がないことかもしれないが、状況が明確になった。各社なりに項目を作っているが、その他の項目に大半を入れている場合もあった。 また、SS-MIX2の拡張ファイルも作成日のホルダーに保存されていたが、退院時サマリ、手術記録などは退院日、あるいは手術日が望ましい。「退院日」、「手術日」欄の名称が統一されておれば、管理は容易になる。重要なことは拡張ファイルのCDA化ではファイル名称、ファイル内の項目用語の統一がファイル形式の標準化に向けて必要であると言える。また、現状はCDAと言ってもXMLであり、表示にはStyleSheetがペアで必要なため、現状のXDSビューワでは各社のCDAファイルに応じてStyleSheetを保存して利用する必要がある。 地域連携システムの表示から薬剤コードが使用されているが、容量の記載の無いものが見つかり、調査によりHOTコードの名称に3種類あり、使われた名称はほとんどの薬剤で容量の記載はあったが、ワーファリンでは無いことが判明した。別の名称では問題がないことから、HOTコードで使用すべき薬剤名称項目を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
薬剤コードについてはYJコードからの変換で100%近く行くと思われたが、90%と問題があることが判明した。これによりYJコードからの変換を進めるべきか悩ましい状況になった。また、変換ソフトは各社の開発が必要であり、その予算は無いのが現状である。検査コードに関しては150項目についてのエクセルファイルを情報提供病院に配布しているが、なかなか検査技師に直接訴えないと各病院は動かない。また、コードを入力してもSS-MIX2ファイルを過去に戻って作成するソフトを稼働させる必要があり、これも経費が必要になる。当面は電子カルテのマスタ修正で、現時点からのプロモーション効果を評価したい。別途、厚労省関係病院でも企業へ経費を支払ってコード入力しているようであり、こちらの方法も期待している。なお、我々の地域連携参加病院も28年度参加病院がこの厚労省関係病院として参加しており、このコード化率も参考になると考えている。拡張ファイルに関してはHL7協会がロインクに用語の登録を要請したようだが、日本国内でのその公表が遅れている。そのためCDAの標準化の議論も遅れる可能性が大きい。
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Strategy for Future Research Activity |
薬剤コードの入力に関しては、予算上は手入力による方法をお願いする。平成28年度参加の厚労省関係病院では企業主導のコード入力がどの程度か、調査する。YJコード変換方法については我々の病院で問題を調査し、改善する。 検査コードについてはエクセルファイルによる手作業に関して、我々の病院では緊急検査も一般検査と同様の方法であったのでその検査数に関してはコード化率を上げる。エクセルファイルに関しては、開発ソフトでコード入力されていないが出現頻度の高い検査からファイルへの追加を進める。ただ、検査コードは新たにJLAC11の発表が近いこともあり、旧になるJLAC10との関係を見ながらプロモーションを進める必要がある。 HOTコードの薬剤名称の利用に関して使用すべき名称項目を何らかのガイドラインに表記するようにしたい。 また、電子カルテ上でのアレルギー薬剤、処方オーダ以外で記載する薬剤(検査、手術で課金される薬剤)のコード入力の推進も進めたい。
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