2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of monolithic silica for solid phase extraction and simultaneous extraction of drugs in forensic samples by using its monolithic silica
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26460880
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
奈女良 昭 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 准教授 (30284186)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 法医中毒学 / 分析化学 / 薬物 / 前処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
全血中薬物の抽出に適したモノリスを検討するために、スルーポア(通過孔)とメソポア(細孔)の大きさを変化させたモノリスカラムを作成して検討を加えた。 試料の通過具合は、スルーポアの大きさ、全血の希釈倍率、遠心の回転数および遠心時間に比例していた。しかし、薬物の回収率はスルーポアの大きさと回転数に反比例していた。薬物の回収率と前処理に要する時間などを考慮し、全血を5倍希釈して1000rpmで2分間遠心分離することで薬物の吸着を行った。薬物の保持などを詳細に検討した結果、薬物の保持はlogP値の影響を受け、洗浄溶媒にメタノールを加えることで溶出されてしまった。定量範囲を検討した結果、概ね2000ng/mLまで直線性(r>0.992)が得られ、検出下限は0.5ng/mL(一部10ng/mL)であった。また、5.0, 50, 500, 1500ng/mL添加時のばらつきを検討した結果、日内および経日間のばらつきは15%以内となり、再現性も確認できた。 回収率は溶液の線速度などに影響され、粒子タイプの固相カートリッジでは流速1mL/min程度が最適とされているが、血液用のモノリスでは1mLを2分間で通液する0.5mL/min程度の流速が最適であった。モノリスは、粒子タイプの固相に比べて背圧が小さいことから、表面との接触機会を上げるには流速を小さくする必要があると推察される。本方法は、濃縮操作を必要としないため前処理時間が短縮でき、遠心分離器を使用した簡便な操作のため人為的な誤差の抑制が可能となると期待される。ただし、MonoSpin C18-CXではlogPの小さい薬物の保持は弱く、薬物スクリーニングに活用するにはHILICモードでの抽出を組み合わせるなどの工夫が必要と考えられる。
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Research Products
(1 results)