2014 Fiscal Year Annual Research Report
視床下部における低酸素と情動行動の相互作用の分子病態学的検討
Project/Area Number |
26460883
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
井上 裕匡 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50363338)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 窒息 / 低酸素 / 性的刺激 / 突然死 |
Outline of Annual Research Achievements |
Autoertic asphyxiaは低酸素によって性的興奮を獲得する性癖を持つhypoxiophilia、asphyxiophyliaと言われる一種の性的倒錯者に見られる過失による死亡と言われているが、そのメカニズムは不明である。そこで、ラットに低酸素下で性的刺激を与え、脳機能の変化および低酸素に対する耐性の変化について検討した。その結果、性的刺激は視床下部におけるHSP70やORP150といったストレスタンパクのmRNA発現を低下させた。すなわち、低酸素に対する耐性を減弱させる可能性が示唆された。一方で、低酸素下での性的刺激はオキシトシン分泌を有意に増加させたが、同時にACTH分泌も増加させ、性的興奮は増加するが性的機能は減弱させる可能性が示唆された。これらの結果より、いわゆるautoerotic asphyxiaは単なる過失ではなく、低酸素下での性的機能および興奮の変容により、性的興奮を求めるためにさらなる過激な行為へ移行すると同時に、脳の低酸素に対する耐性の減弱が商事、行為中に低酸素によって意識障害等の窒息行為からの離脱を困難にする状態に陥っている可能性が示唆される。 また、同時に心臓での検索を行ったところ、性的刺激によって心筋虚血に対する抵抗性や心負荷の変容が認められた。このことは、性行為中の突然死のメカニズムを解明する端緒となる可能性が考えられ、これらの死亡が単なる病死ではなく分子病態学的に死亡が説明でき、法医学的、社会医学的にも重要な事項であろう。
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Research Products
(1 results)