2017 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive multi-process analysis to the QTOF data of a forensic toxicological drug
Project/Area Number |
26460891
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
林田 眞喜子 日本医科大学, 大学院医学研究科, 特別研究生 (60164977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植草 協子 日本医科大学, 医学部, その他 (50409215)
安部 寛子 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (40707204)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 法医中毒学 / 質量分析 / 薬毒物分析 / QTOF / LC-MS / 代謝物 / 代謝経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
H28年度に引き続き,QTOFと精密質量データベースを用いたトリカブトのスクリーニング法を検討した。装置はAgilent 6530 Accurate-Mass Q-TOF LC/MSシステムおよび精密質量データベースとしてPCDL(Personal Compound Database Library)を使用した。試料はエゾトリカブト,ガッサントリカブト,カワチブシ,サンヨウブシの塊根,子根,細根,茎を-80℃で30分予備凍結後,凍結乾燥機で12時間凍結乾燥後にマルチビーズショッカー3000 rpm/10 sec(塊根,娘根,細根:×1回,茎:×5回)で粉砕,0.1 gを秤量しメタノール(10 mL)を用いて抽出を行った。87種類のアルカロイドを登録したPCDLを使用し,相対質量誤差:±3ppm,同位体スコア:90以上の基準で検出された化合物について精密質量プロダクトイオンスペクトルによる確認を行った。エゾトリカブトおよびカワチブシは強毒性とされているが,今回測定したエゾトリカブトは毒性の高いアコニチン系アルカロイド(AA)は検出されず,カワチブシについては同一地域で場所の異なる試料を測定した結果,AA含有量に大きな差異が認められた。毒性が低いとされるガッサントリカブトおよびサンヨウブシでAAは検出されなかったがC20ジテルペンカルカロイドであるアチシン,アチジンやC20ノルジテルペンアルカロイドであるデオキシデルコリンが検出された。また,全てのトリカブトで固有のアルカロドが主成分として検出された。部位による含有量に関しては細根が最も高い濃度を示し,塊根,子根,茎の順であった。形態学的分類では区別が困難な変異種に関してQTOFと精密質量データベースを用いることで迅速に判別が可能であり,この手法がトリカブト類の毒性判断や化学的分類に有効であると考えられた。
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Research Products
(6 results)