2016 Fiscal Year Research-status Report
抽出・精製方法の違いがmRNAを指標とした体液の識別検査に及ぼす影響
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26460895
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
阿久津 智子 科学警察研究所, 法科学第一部, 室長 (50356151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻田 宏一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10334228)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | RNA / 抽出・精製方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
血液および精液を用いて微量斑痕試料を作成し、スピンカラム法(RNeasy Mini Kit、キアゲン)および磁気ビーズ法(EZ1 RNA Tissue Mini Kit、キアゲン)によりRNAを抽出・精製した。つづいて、ハウスキーピング遺伝子としてβ-actinを、血液のターゲット遺伝子としてhemoglobin betaを、精液のターゲット遺伝子としてsemenogelin Iおよびprotamine 2をそれぞれ用い、TaqManプローブ法によるリアルタイムRT-PCR法で増幅を行い、Ct値の比較を行った。 その結果、いずれの抽出・精製法においても、1μlの血液および精液で作成した斑痕試料から、ハウスキーピング遺伝子及びターゲット遺伝子の十分な増幅が認められ、スピンカラム法だけでなく磁気ビーズ法も、微量斑痕試料にも適用可能であることが示された。 一方、バイオアナライザー(アジレント)を用いたRIN値算出によるRNA品質評価は、微量血痕資料および微量精液斑試料から抽出されたRNA量が、RIN値算出のための定性下限値を下回っていたため、実施することができなかった。 マルチプレックスRT-PCR法による体液の識別検査法の構築のため、血液、唾液及び精液識別のためのターゲット遺伝子をそれぞれ複数選定し、マルチプレックスPCR増幅に適した増幅長のプライマーについて、Primer3およびBlast(NCBI)を用いて設計した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度の研究実施計画では、微量斑痕試料に加え、陳旧試料についても検討する予定であったが、研究代表者が平成28年4月より総務部総務課付兼務となり、その各種事務業務が想定以上に多忙であったため、陳旧試料の作製および分析に着手することができなかった。また、マルチプレックスRT-PCR法による体液の識別検査法の構築については、プライマーの設計は行ったものの、同理由により分析および評価を実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、研究期間は平成26年度から28年度までの3年間を予定していたが、上記理由による1年間の補助事業期間の延長が認められたため、平成29年度に陳旧試料の作製および分析ならびにマルチプレックスRT-PCR法の検査系の構築および評価を実施する。
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Causes of Carryover |
研究代表者が平成28年4月より総務部総務課付兼務となり、その各種事務業務が想定以上に多忙であったため、当初計画していた陳旧試料の作製および分析に着手することができなかったため。また、マルチプレックスRT-PCR法による体液の識別検査法の構築については、プライマーの設計は行ったものの、同理由により分析および評価を実施することができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に実施する陳旧試料の作製および分析ならびにマルチプレックスRT-PCR法の検査系の構築および評価に使用する。
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Research Products
(1 results)