2016 Fiscal Year Research-status Report
レビー小体関連変性疾患の呼吸感覚モダリティー解明と、誤嚥性肺炎発症の連関
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26460899
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
海老原 孝枝 杏林大学, 医学部, 准教授 (30396478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海老原 覚 東邦大学, 医学部, 教授 (90323013)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | レビー小体型認知症 / 咳感受性試験 / 咳衝動 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、Borg scaleを参考に、Urge to cough scaleを作成し、咳衝動を比較検討したところ、成人と高齢者では、高齢者のほうが、有意に咳衝動が起きにくかった、また、濃度依存への咳衝動の傾きも、若年健常者と比較して有意に低かった(Cough 2011)。今回、我々は、レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症と健常高齢者群(平均年齢74±8.0、80.1±6.5、74,6±8.3)にわけ、認知機能と咳反射感受性および咳衝動、呼吸困難度を調査した。各群の認知機能は、健常群はMMSE28点前後であったが、レビー小体型認知症およびアルツハイマー型認知症は、18.8、20.7と両群に有意差はなかった。そのほか、三群間に、肺機能・血液ガス所見に有意差はなかった。認知機能と、咳感受性、咳衝動の関係であるが、有意に、各々、負相関を得た(P<0.05,<0.001)。また、レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症および健常者の比較において、レビー小体型認知症は咳感受性閾値(C2,C5)および咳衝動閾値が有意に上昇をしていた(P=0.007,<0.01、0.02)。レビー小体型認知症では、ほかの疾患に比較して、咳反射感受性検査の各濃度負荷に応じた咳衝動の強さの増加の傾きが低い傾向を得たが、有意差を得るまでには至らなかった。 本内容は、第58回日本老年医学会学術集会受賞講演「タウオパチーとシヌクレオパチー罹患高齢者の摂食嚥下障害・誤嚥性肺炎の病態解明とテーラメイド戦略」中に、本研究内容の研究結果の発表を行った。また、第59回日本老年医学会に、一般演題として採択をされており、発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
結果を得て、発表まで至っていることより、進捗状況は上記とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、論文化と肺炎の発症について調査進行中である。
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Causes of Carryover |
研究所属機関の異動があり、次年度に研究の進捗状況がやや遅れているため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
各認知症の体組成分析を行い、肺炎発症に対する因子を比較検討する。
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Research Products
(7 results)