2014 Fiscal Year Research-status Report
ヒト型結核菌熱水抽出製剤(アンサー)を用いた高齢者肺炎の新たな予防法の確立
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26460900
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大類 孝 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90271923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 晴雄 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20302250)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高齢者 / アンサー / 白血球数 / 肺炎 / 前立腺癌 / 放射線治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
結核菌熱水抽出製剤(アンサー)の高齢者肺炎に対する予防効果の有無を確認するため本研究を開始した。 初めにカルテ調査を行い、平成26年度に放射線治療を受けた早期の前立腺癌高齢患者を抽出した。対象者をアンサー併用群[n=15、平均年齢73.1±5.4(SD)歳、総アンサー投与量 200±70μg] および非併用群[n=15、平均年齢73.7±5.1(SD)歳]の2群に分割し、放射線治療の前および後の末梢血液中の総白血球数、好中球数、リンパ球数をカウントし、同時に赤血球系の指標としてヘモグロビン値を、また栄養状態の指標として血清総蛋白濃度を測定し、アンサーの免疫能に及ぼす効果について検討した。 その結果、アンサー投与群および非投与群の総白血球数は放射線治療前に比べて後ではそれぞれ-1062±1142 vs -609±782 /μl、好中球数は-682±1030 vs +341±880 /μl、リンパ球数は-505±305 vs -793±414 /μlと、アンサー投与群で好中球数の減少抑制効果は確認されなかったが、一方でリンパ球数の減少抑制傾向が確認された。また、ヘモグロビン値および血清蛋白濃度は、アンサー投与群および非投与群でそれぞれ+0.2±0.8 vs -0.4±0.9 g/dl および0±0.5 vs -0.3±0.5 g/dlと、アンサー投与群で貧血および蛋白濃度低下の抑制傾向が確認された。 次に、平成26年初めから半ばにかけて、約6ヶ月にわたり両群の健康状態を調査した。その結果、アンサー投与群では軽微な発熱患者が1名、非投与群では軽度の下痢が1名に認められた他、両群に明らかな肺炎発症の患者は認められていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は前向き研究を考えていたが、協力医院からの症例(対象患者)が豊富なため後ろ向きカルテ調査でも結果が出せる事が判明し、現在、引き続き調査中である。これまで、アンサー投与群および非投与群における治療前後の免疫能の変化として末梢血液中の総白血球数、分画として好中球数、リンパ球数のカウントが終了し、同時に赤血球系の指標としてヘモグロビン値また栄養状態の指標として血清総蛋白濃度の測定が終了した。また、平成26年初めから半ばにかけて、約6ヶ月にわたる両群の健康状態の調査が終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は平成26年度に引き続きカルテ調査を行い、放射線治療を終えた高齢患者でアンサー投与群および非投与群の健康状態をさらに長期にわたって把握する予定である。
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Causes of Carryover |
研究当初は、前向き研究を予定していたが、協力医院からの症例(対象患者)が豊富なため後ろ向きカルテ調査でも結果が出せる事が判明し、現在、引き続き研究中である。そのため、当初予定していた結核菌抽出製剤のアンサーおよび総白血球および分画検査の支出を削減することができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ抽出および解析のための人件費および統計のための経費を予定している。
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