2015 Fiscal Year Research-status Report
認知症患者・介護者の介入によるストレスバイオマーカー変化の検討
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26460902
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
亀山 祐美 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60505882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 太郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40401111)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 介護ストレス / 栄養調査 / 入院ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症群と正常群を比較すると野菜、海藻、魚が少ないという国内の報告があり、栄養と認知症の関係については、欧米・アジアからも報告が多い。食事の支度は介護者にとっても負担になることが多く、楽で適切な食事指導を行うことを目的として調査を行った。 <方法>当科物忘れ外来に通院中のアルツハイマー病患者21名(女性10名、男性11名)とその同居介護者の食習慣について、簡易式自己式食事歴法質問票(brief-type self-administered diet history questionnaire ;BDHQ)を用い調査を行った。 <結果>女性患者(平均年齢82±4歳)の平均摂取カロリーは1703kcal/日(必要量1670kcal/日)、魚摂取量平均43g/日、菓子類摂取量平均86g/日。男性患者(平均年齢81±5歳)の平均摂取カロリーは2265kcal/日(必要量2185kcal/日)、魚摂取量平均82g/日、菓子類摂取量平均73g/日。厚生労働省の平成24年国民健康・栄養調査での70歳以上の魚摂取量平均は86.5g/日、菓子類摂取量は23.8g/日である。女性AD患者には魚摂取量不足、菓子類摂取量過剰の傾向、男性AD患者は菓子類摂取量過剰、摂取カロリー過剰の傾向が認められた。 女性患者の介護者(夫5名、娘4名、息子1名)にも、魚摂取不足(54 g/日)があった。介護者に対し、「魚を増やし、お菓子を減らす」ことを指導した。3か月ごに同じ調査を行い、認知症患者は、魚が増えていたが、お菓子量は変わらなかった。介護者は、魚も増えず、お菓子も変わらなかった。「認知症患者に魚を食べて、これ以上認知症が進まないようにしてほしい、と思ったが、自分はまだ大丈夫だから、と魚は増やさなかった」と答えた。<結論>AD患者には食習慣の偏りがあり、介護者にも患者と同様の傾向が認められた。魚を食べ、お菓子を減らすように食習慣を変えることは、丁寧な指導と定期的な調査が必要と考えらえた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
介護者ストレス・栄養調査が本年度24名新規に登録があり、今後も外来、入院患者において登録が増えてゆく見通しがあるから。
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Strategy for Future Research Activity |
入院患者のストレス研究を開始しており、患者の唾液アミラーゼ、SF8、睡眠モニター、顔写真による表情解析を行いはじめ、現在100名登録があり、今後、解析を進めてゆく。
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Research Products
(4 results)