2014 Fiscal Year Research-status Report
防已黄耆湯はPXRを活性化することによって実験的胆汁うっ滞型肝疾患を改善するか?
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26460903
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
渡辺 志朗 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 准教授 (00222406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 恭輔 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 助教 (70707538)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | cyp3a11 / BSEP / MRP3 / OSTβ |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度(平成26年度)においては、1%のコール酸ナトリウムを添加した飼料を与えて、胆汁うっ滞モデルの作成を試みたが、この条件ではマウスにおいて著しい摂食量の低下と、体重減少が見られた。そこで、添加するコール酸ナトリウムの量を0.4%として、用いるマウスを雌性ICRマウスに変更したところ、摂食障害や体重減少を来さず、予定の3週間の飼育期間を完結できた。このモデルを用いて、防已黄耆湯の投与の影響を検討したところ、その肝傷害軽減作用ならびに、それに伴う肝臓中のトリグリセリド含量の低下ならびにステアリン酸CoA不飽和化酵素1の発現低下を抑制することが確認できた。このときpregnane X receptor (PXR)によって発現誘導される胆汁酸分解酵素(Cyp3a11)ならびに胆汁酸トランスポーター類(BSEP, MRP3, OSTβなど)の肝臓における遺伝子発現を解析したところ、これらのなかでコール酸の投与によって上昇するものがあることは確認できたが、BOTの投与によってこのような影響現れることはなかった。従って、コール酸誘発性胆汁酸うっ滞モデルにおいては、防已黄耆湯による肝傷害の軽減にPXRの活性が関わっているという積極的な実験的証拠を得ることはできなかった。一方、平行して行う予定であったが、PXR活性化剤であるpregnanolone-16α-carbonitrole (PCN)の効果に関しては、上記の実験計画の変更して追加実験を行ったために、期間内に着手できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初めに計画したコール酸誘発胆汁うっ滞を誘導する条件の変更し、その条件での検討を行ったため、計画の遅延が生じた。それ故、防已黄耆湯の影響の評価には着手できたが、PXR活性剤であるpregnanolone-16α-carbonitrole (PCN)のの影響については評価を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度(第2年度)においては、初年度で着手できなかったpregnanolone-16α-carbonitrole (PCN)のコール酸誘発胆汁うっ滞モデル対する影響の評価から行う。一方で、当初の計画で行う予定だったリトコール酸誘発胆汁うっ滞モデルに対する防已黄耆湯ならびにPCNの影響を評価する。
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Causes of Carryover |
当初の計画から変更して研究を行ったことで、機構解析のための遺伝子解析等に用いる消耗品費を使用する分が少なくなった。また計画の変更で、実験に用いるマウスの種類をより安価なものに変更したことも加わり、ある一定の経費の余剰(300千円程度)が生じた。そこでこの余剰分を、本研究計画を通して共通して使うことのできる抗体の購入に充てることとした。しかしながら結果的に上記の次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
この次年度使用額が比較的少額であるが、この経費分で初年度に行うことができなかった実験を次年度で行うための動物の購入にほぼ充当できるので、これに使用する予定である。
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Research Products
(7 results)