2014 Fiscal Year Research-status Report
非小児科医のための小児救急・初期診療プログラムの開発と評価
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26460904
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小西 靖彦 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70613454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
錦織 宏 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10463837)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 小児救急・初期診療 / シミュレーション / 医学教育 / プログラム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成19年度より実施されてきた約30名の非小児科医を対象にした小児救急・初期診療プログラム(小児Triage and Actionコース、以下小児T&Aコース)に対して医学教育学の理論的枠組みを用いることによって、今までの計画・実施・評価・改善の経緯を明らかにし、今後プログラムが向かうべき方向性を明確化した。方法としては、平成26年1月(10名)と6月(8名)にプログラムに協力した非小児科医および小児科医に対するフォーカスグループインタビュー(FGI)を行い、面接内容の逐語録を作成して質的に分析を行った。結果として、現在のプログラム開発の経緯が8つの軸①対象者②状況設定(環境)③学習内容④学習目標⑤ファシリテーション⑥学習戦略⑦評価⑧Authorizeで説明することができ、改善すべき点がより明確になった。なかでもファシリテーション能力の養成が大きな課題としてあげられており、平成27年度の研究計画と合わせて引き続き研究を続けていく必要がある。 プログラムは平成26年度に16回開催しており、その参加者数は合計で359名であった。いずれのプログラムにおいても予定の定員数を満たしており、小児救急・初期診療に携わる非小児科医にとって極めてニーズが高いことが伺えた。平成27年度のプログラムの計画のため平成26年12月(2回のFGIで合計10名)プログラムに参加した非小児科医に対してFGIを行うことによって、プログラム参加後の行動変容と既存のプログラムに対する評価に関する面接内容の逐語録を作成して質的に分析を行った。この評価は現在も進行中である。また、平成27年2月(3回のFGIで合計20名)にプログラムに協力した小児科医に対するFGIを行い、プログラムの学習内容や学習目標ファシリテーションや学習戦略のあり方に関する面接内容の逐語録を作成して質的に分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的に記載した「これまでに実施してきた非小児科医を対象にした小児救急・初期診療プログラムの試行経験を発展させて、1) 卒後~生涯教育において、非小児科医を対象とした小児救急・初期診療のモデル・シミュレーション教育プログラムを開発し、2)ファシリテーター養成のためのプログラム開発を行うことである」に関して、1)については、その研究成果を平成26年7月に開催された第46回医学教育学会と平成27年2月に開催された12th Asia Pacific Medical Education Conference (APMEC:アジア太平洋医学教育学会)で報告している。また、2)については平成26年10月(7名)にプログラムに協力した非小児科医・小児科医に対するFGIを行い、このプログラムに必要なファシリテーション能力に関する面接内容の逐語録を作成して質的に分析を行っており、平成27年9月に開催されるAssociation for Medical Education in Europe (AMEE:ヨーロッパ国際医学教育学会 )で報告する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度もプログラムに参加した非小児科医に対してFGIを行うことによって、プログラム参加後の行動変容と既存のプログラムに対する評価に関する面接内容の逐語録を作成して質的に分析していく予定である。 また、ファシリテーター養成のためのプログラム開発については、プログラムの計画とその評価表を開発し行い、実施まで遂行でいることを目標としている。
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Causes of Carryover |
平成26年度は既存のプログラムの分析に時間をかけたこともあり、プログラムに参加した非小児科医へのフォーカスグループインタビューの回数が少なかったため、その後の逐語録作成の回数も少なかった事が理由として考えられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度に行えなかったフォーカスグループインタビューを平成27年度は行う予定になっている。
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Research Products
(3 results)