2014 Fiscal Year Research-status Report
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26460923
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
櫻井 博文 東京医科大学, 医学部, 准教授 (60235223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽生 春夫 東京医科大学, 医学部, 教授 (10228520)
清水 聰一郎 東京医科大学, 医学部, 講師 (10385031)
土田 明彦 東京医科大学, 医学部, 教授 (50207396)
金高 秀和 東京医科大学, 医学部, 講師 (90385021)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高齢者総合機能評価 / 生活機能障害 / 生活支援 / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
「目的」現在の高齢者の入院診療では、臓器別診療科による診断と治療が中心であり、患者や家族の生活を支える視点からの満足度は決して高いものとはいえない実情がある。高齢者総合機能評価を用いれば、65歳以上の入院高齢者における身体的、精神心理的、生活機能的、社会環境的な特徴を明らかにすることができる。 「方法」当院で高齢者総合機能評価のスクリーニングとして使用しているDr.SUPERMANを施行した入院高齢者3969名を対象とした。(男性2211名、女性1758名、平均年齢 75.5歳)。65~74歳、75~84歳、85歳以上の3群でそれぞれ「Dr.SUPERMAN」の各項目について障害なし(0)、障害疑い(1)、障害あり(2)に分けてスコア化した。 「結果」1.年齢別の比較では、視覚障害、聴覚障害、服薬アドヒアランス、独居、認知機能障害、外出回数、上肢機能障害、下肢機能障害(転倒)、失禁、ADL障害(トイレ)と嚥下障害が有意差を認めた。 2.認知症と関連する症状は、① ADL低下 ②年齢 ③上下肢機能障害 ④視覚・聴覚障害 ⑤排尿障害であり、高齢認知症者は多くの生活機能障害を伴っていた。 「結語」入院時における高齢者総合機能評価は、高齢者における生活障害の早期発見となり、退院後の患者の生活支援に活用することができる。たとえば、不十分な服薬管理に対する服薬管理体制を整えて疾患の増悪を予防すること、下肢機能障害に対する運動習慣の指導による転倒・骨折の予防、嚥下障害に対する食事指導による誤嚥性肺炎の予防など、疾患の予防に極めて重要であると考えられる。また、認知症高齢者は多数の症状を合併して生活機能障害が進行すると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
入院の高齢者総合機能評価については、多数例のデータ収集が行われた。しかし、外来の高齢者総合機能評価については、データ収集が停滞しているため、やや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
全診療科における入院患者の高齢者総合機能評価データを用いて、高齢者の生活機能障害における内科系と外科系の差異、診療科別の差異について解析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
入院の高齢者総合機能評価については、多数例のデータ収集が行われた。しかし、外来の高齢者総合機能評価については、データ収集が停滞しているため予定より使用額が減少した。また、研究発表が予定より少なかったため、学会発表に関連する費用や旅費などが当初予定より少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
入院の高齢者のデータ集積と同時に、外来の高齢者のデータ収集を進める予定である。 これらのデータを解析して、次年度は学会における研究発表、とくに国際学会における研究発表も予定している。
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Research Products
(1 results)