2017 Fiscal Year Annual Research Report
Insulin secretion related to glucose time complexity expressed by Detrended Fluctuation Analysis
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26460927
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Research Institution | Aino University |
Principal Investigator |
山本 直宗 藍野大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00454546)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 血糖変動 / フラクタル解析 / 糖尿病 / 経腸栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研費を用いて、胃ろうの糖尿病患者および非糖尿病患者に三種類の栄養素の異なる経腸栄養を投与し72時間5分ごとの連続血糖測定を行ない、得られた時系列データのモノマルチフラクタル解析を行った。胃ろう患者のため、咀嚼時間、胃までに食物が届く時間などの条件を一定なため自由経口摂取にした既報(Yamamoto N, et al Diabetes Technol Ther 2010)より血糖変動の複雑性を正確に評価できた。非糖尿病群と糖尿病群を比較した場合、血糖変動の複雑性はDetrended Fluctuation Analysisを用いると 1.379±0.069 vs. 1.484±0.073, P=0.012、高速フーリエ変換を用いると1.734±0.105 vs. 2.617±0.329, P<0.001と有意に糖尿病群での血糖複雑性は低下していた。各栄養素の食後4時間の血糖値をそれぞれ切り出し、炭水化物が60%、タンパク質20%、脂質20%の糖尿病食では非糖尿病群では4次以上の差分方程式でR2=0.60、糖尿群では2回線形差分方程式でR2=0.75~0.95と非常に良い相関を認めた。すなわち糖尿病群のような血糖変動は条件がそろえば、再現することが可能(解を求めることが可能)であることを示した。さらに今回の検討で以下の新知見が得られた。 ① 同じ栄養製剤でも朝、昼、夕では血糖の変動が異なること(複雑性は変化なく2階線形差分方程式で解を求めることは可能だが係数の調整が必要 ② 同じ成分構成の半固形の栄養素の場合は液体と同様の2階線形差分方程式で再現できるが係数が変わること。脂質が多くなると3次以上になる。 ③インスリン、グルカゴンのホルモンはばらつきが大きく再検を要する。 以上の結果は2018年6/14~6/16老年学会学術総会で発表予定であり、症例の一部は2017年GGIに掲載。
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