2014 Fiscal Year Research-status Report
p53ファミリーに制御される非コードRNAと消化器発がん:分子標的としての可能性
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26460944
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 泰史 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (70322328)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 消化器癌 / 非コードRNA / p53 / p53ファミリー / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
最近のゲノム研究の進展により,転写されたRNAの多くがタンパクに翻訳されないmiRNAを含む非コードRNA (non-coding RNA, ncRNA)であることが明らかになった.本研究では,最も高頻度に遺伝子変異が検出されているがん抑制遺伝子p53,およびそのファミリーによって制御される非コードRNAを同定し,機能解析へと展開する.さらに発現異常,遺伝子変異の有無,悪性度および治療効果との関連性を分析することで,胃癌,食道癌を中心とした消化管癌の新しい診断・治療予測システムを開発しようとするものである.平成26年度において以下の研究成果を上げた. 1)miR-200ファミリーを介するp53によるCRKLの発現調節とがん進展における役割 p53誘導性miRNA,miR-200b/200c/429の新規標的遺伝子CRKL (v-crk sarcoma virus CT10 oncogene homolog-like)を同定した.CRKL遺伝子の3’-UTRにmiR-200b/200c/429の結合配列を同定し,p53ファミリーが,この配列を介してCRKLの発現を抑制していることを明らかにした.臨床検体の解析から,CRKL遺伝子発現が予後不良と相関することをつきとめた.また,p53変異のある症例で有意にCRKLが発現上昇していた.CRKLの導入により,胃癌細胞株の増殖,浸潤,遊走能が上昇することを明らかにした. 2)p53に制御される新規機能性RNAの同定 miRNAマイクロアレイ,およびp53結合コンセンサス配列の全ゲノム網羅的解析より,19のp53誘導性miRNA候補を同定した.それらすべてについて,real-time RT-PCR法によりp53ファミリーによる発現誘導を確認したところ,14miRNAの強い転写誘導が認められた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
miR-200ファミリーを介するp53によるCRKLの発現調節とがん進展における役割については,順調に解析が進み,タイトル「The CRKL oncogene is downregulated by p53 through miR-200s」として英文学術雑誌に投稿し,現在major revise中である.さらにp53誘導性miRNAの新規候補のいくつかについては,in silicoでの標的遺伝子の検索を行い,その発現解析に着手している.
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Strategy for Future Research Activity |
p53ファミリーに制御されるmiRNA, ncRNAとその標的遺伝子はがん組織で発現が変化している可能性があり,予後,治療効果などと相関していることが推測される.研究は順調に進展しているので,これらの機能解析,発現解析を行い,バイオマーカーとしての有用性の検討を行う予定である.
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Causes of Carryover |
平成26年度は順調に研究が進展したため,研究補助に対する人件費,謝金を必要としなかった.さらにp53ファミリーによって調節される標的分子の発現解析に必要な抗体,miRNA, ncRNAの発現解析に必要なプライマー,プローブは既存のものを使用できたため,直接経費の節約が可能であり,残額が生じた.次年度はp53ファミリーに制御される新規の非コードRNAとその標的分子の機能解析に随時着手する予定であり,その研究進展に活用したいと考える.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
miRNAマイクロアレイ,およびp53結合コンセンサス配列の全ゲノム網羅的解析より,19のp53誘導性miRNA候補を同定した.それらすべてについて,real-time RT-PCR法によりp53ファミリーによる発現誘導を確認したところ,14miRNAの強い転写誘導が認められた.p53誘導性lincRNAも複数同定しており,それらの標的遺伝子の同定,細胞レベル,がん症例(胃癌,食道癌)での発現解析を進めていく計画である.また,CRKLに関する論文の採択が見込まれ,論文印刷費が生じる. 次年度の研究費の使用計画 発現解析のための試薬類(酵素類30万円,RNAプローブ20万円,リアルタイムPCR試薬30万円,抗体20万円),細胞培養器具・試薬20万円,学会発表旅費20万円,謝金30万円,論文印刷費10万円
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] MicroRNA-31 expression in relation to BRAF mutation, CpG island methylation and colorectal continuum in serrated lesions2014
Author(s)
Ito M, Mitsuhashi K, Igarashi H, Nosho K, Naito T, Yoshii S, Takahashi H, Fujita M, Sukawa Y, Yamamoto E, Takahashi T, Adachi Y, Nojima M, Sasaki Y, Tokino T, Baba Y, Maruyama R, Suzuki H, Imai K, Yamamoto H, Shinomura Y.
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Journal Title
Int J Cancer
Volume: 135
Pages: 2507-15
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] p53 negatively regulates the hepatoma growth factor HDGF2014
Author(s)
Sasaki Y, Negishi H, Idogawa M, Koyama R, Kusano M, Suzuki H, Fujita M, Maruyama R, Toyota M, Saito T, Tokino T
Organizer
第79回日本インターフェロン・ サイトカイン学会学術集会
Place of Presentation
札幌
Year and Date
2014-06-19
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[Presentation] p53 family network and tumor suppression2014
Author(s)
Sasaki Y, Tamura, M, Takeda K, Idogawa M, Maruyama R, Suzuki H, Shinomura Y, Tokino T
Organizer
The 3rd International Symposium on Genetic Regulation and Targeted Therapy of Cancer and 5th Symposium of A3 Foresight Program
Place of Presentation
Zhangjiajie, China
Year and Date
2014-06-12
Invited
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