2015 Fiscal Year Research-status Report
Dectin-1を介した選択的IL-17F制御に基づく炎症性腸疾患の病態解明
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26460966
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
伴 宏充 滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (30598363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 重樹 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40422901)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 炎症性腸疾患 / インターロイキン / 炎症性サイトカイン / 腸炎モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
炎症性腸疾患の病態に大きな作用を有しているサイトカインであるInterleukin (IL)-17には6個のsubtypeが存在し、そのなかでもIL-17AとIL-17Fは炎症誘発作用と炎症抑制作用という相反する作用を持っていることが知られている。そのため、IL-17すべてを抑制してしまうと、炎症性腸疾患は増悪することがヒトでも動物実験でも明らかとなっている。 今回我々は、炎症誘発作用を有するIL-17Fのみを抑止するため、IL-17Fに特異的なantisense oligo DNAを作成し、Dectin-1を介したdrug deliverlyによってマクロファージや単球のみにIL-17Fノックダウンした実験系をin vivoおよびin vitroで作成し検討を行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の検討で、Interleukin-17 antisense-oligo DNA (AS-IL17 oligo DNA) 1.104 nmolに対しシゾフィラニン(SPG) 0.3 nmolを混合させる組み合わせが最も効率よく会合を得ることが明らかとなった。この組み合わせで会合させたSPG/AS-IL17 oligo DNA会合溶液が腸炎モデルマウスを改善させるかどうかを検討した。 2.5% デキストリン硫酸ナトリウム(DSS)で誘発させた腸炎マウスにSPG/AS-IL17 oligo会合溶液を腹腔内投与し、その体重変化と疾患活動index、組織学的scoreを検討した。DSSを5日間投与したのち、0, 3, 6, 9, 12日目にSPG/AS-IL17 oligo会合溶液を0.05, 0.1, 0.5 mg/kg(体重)のantisense oligo DNA量となるように生食0.5 ccに溶解し腹腔内投与を行った。7日目と12日目に組織と血清を採取し、ヘマトキシリン・エオジン染色、mRNA採取、血清TNF-α濃度の測定を行った。以下のように各群n=20ずつで検討を行った。1. 正常群 2. DSS(生食投与)群 3. DSS(SPG/AS-IL17 oligo会合溶液0.05 mg/kgBW投与)群 4. DSS(SPG/AS-IL17 oligo会合溶液0.1 mg/kgBW投与)群 5. DSS(SPG/AS-IL17 oligo会合溶液0.5 mg/kgBW投与)群 結果として4 DSS(SPG/AS-IL17 oligo会合溶液0.1 mg/kgBW投与)群が体重の変化が最も改善率が高く、7日目および12日目ともに組織学的スコアが低く(P<0.01)、血清TNF-α濃度も優位に低値であった(P<0.05)。
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Strategy for Future Research Activity |
今回作成したサンプルで、引き続き組織中のTNF-α, IL-6, IL-1βおよびIL-17A, IL-17Fの発現をmRNAレベルとタンパクレベルで検討し、それが組織内antisense oligo DNA量と相関しているかどうかをRT-qPCR法、ウェスタン・ブロッティング法にて検討する予定にしている。
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