2014 Fiscal Year Research-status Report
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26460971
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
竹島 史直 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (70284693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤澤 祐子 長崎大学, 病院, 助教 (80582113)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | パルミトレイン酸 / 炎症性腸疾患 / 炎症抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)血清パルミトレイン酸(PO)値の検討: クローン病(CD)(n=37)の血清PO濃度中央値は69.6±7.5μg/ml、潰瘍性大腸炎(UC)(n=25)は51.2±5.1μg/ml、健常コントロール(CO)(n=22)は45.9±3.4μg/mlであり、CDにおいて有意に高値(vs UC:p=0.03、vs CO:p=0.0001)であった。また、CDの血清PO濃度は疾患活動(CDAI)と軽度正の相関関係を示した。成分栄養療法の有無で比較検討したがPO値に違いは認められなかった。 2)腸管膜脂肪組織におけるPOの検討: CD病変部(n=6)17.8±1.8μg/mg、CD非病変部(n=6)9.5±2.0μg/mg、UC(n=4) 12.0±5.0μg/mg、大腸癌(CC)(n=7)7.9±1.4μg/mgであった。CD病変部において有意に高値(vs CD非病変部:p=0.0005、vs CC:p=0.001)であった。 3)DSS腸炎マウスの作成とPO腹腔内投与の腸炎に及ぼす効果の検討: 2%DSSを5日間自由飲水で投与し、2週間後に屠殺した。PO群はPO600mg/Kgを腹腔内に毎日投与し、無治療群は生理食塩水を腹腔内に投与した。大腸の腸管長は、PO群 80.2mm、無治療群 78.5mmと違いを認めなかったが、大腸のHE標本における病理スコアの検討では、PO群1.4、無治療群 4 (p<0.0001)とPO群で有意に病理学的腸管炎症の抑制が認められた。しかしながら、PO群では、腸管漿膜側に炎症が認められ、POによる腹膜炎の発症が認められ、今後の研究では、POの経口投与を検討する必要があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床検体の検討、動物実験ともにほぼ予定通り実施されている。
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Strategy for Future Research Activity |
DSS腸炎に対するPO投与では、腹腔内投与を行い、腸炎炎症の抑制は、認められる一方、POによる腹膜炎が誘発されることが判明した。今年度は、腹膜炎を予防するために、POを経口投与し、同様に腸炎炎症の抑制が認められるかどうかを検討する。
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Research Products
(2 results)