2015 Fiscal Year Research-status Report
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26460971
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
竹島 史直 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (70284693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤澤 祐子 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (80582113)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | パルミトレイン酸 / 炎症性腸疾患 / 炎症制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)デキストラン硫酸(DSS)腸炎マウスの作成とパルミトレイン(PO)腹腔内投与の腸炎に及ぼす効果の検討: 2%DSSを5日間自由飲水で投与し、2週間後に屠殺した。PO群はPO600mg/Kgを腹腔内に毎日投与し、無治療群は生理食塩水を腹腔内に投与した。大腸の腸管長は、PO群 80.2mm、無治療群 78.5mmと違いを認めなかったが、大腸のHE標本における病理スコアの検討では、 PO群1.4、無治療群 4 (p<0.0001)とPO群で有意に病理学的腸管炎症の抑制が認められた。腸管壁の炎症性サイトカインmRNAをRTPCR法により測定したが、IL-6、IL-1β、TNFαともにPO群では無治療群と比較し低い傾向は見られたが、有意差は認められなかった。病理標本の検討では、PO群では、腸管漿膜側に炎症が認められたことから、POによる腹膜炎の発症が疑われた。このために炎症性サイトカインmRNAの差が認められなかったと考えられた。 2)DSS腸炎に対するPOの経口投与の腸炎に及ぼす効果の検討 POの腹腔内投与が、腹膜炎を誘発する可能性があり、腸管内炎症抑制に関するPOの作用を正確に検討できないことが判明した。このため、POを経口投与する実験を追加することとした。実験方法は、腸炎の作成方法は前述と同様であり、PO群ではPO600mg/Kgをゾンデを用いて経口的に毎日投与し、無治療群では、生理食塩水を同様に経口的に投与した。実験系の確立に時間を要したが、安定してきたため、来年度より本実験を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験において実験計画を一部変更しなければならない結果が得られたため
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Strategy for Future Research Activity |
今回の実験系の中でパルミトレイン酸腹腔内投与により腹膜炎が惹起されることが疑われた。 投与方法を腹腔内投与から経口投与への変更することにより問題は解決されると考えられる。
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Causes of Carryover |
動物実験において不具合が生じたことで、新たな実験系を立ち上げるために時間を要し、当初の実験計画を勧められなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新たに確立した実験系(パルミトレイン酸の経口投与)を用いた実験を追加して行う。
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