2016 Fiscal Year Annual Research Report
The role of Cdh1 in colorectal cancer invasion and metastasis
Project/Area Number |
26460973
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
直江 秀昭 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (30599246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 丈久 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (20634843)
佐々木 裕 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (70235282)
藤元 治朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90199373)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Wnt経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大腸癌の浸潤・転移の過程においてCdh1が持っている役割を明らかにすることを目的としている。この目的のために我々はまず、2種類の代表的な大腸癌細胞株であるCaco2、HCT116細胞において、2つのCdh1 siRNAでCdh1の発現を抑制した。これらの細胞よりRNAを抽出し、cDNARNAアレイ解析を行った。 その結果、2つのsiRNAに共通して1.5倍以上発現が増加した遺伝子として、1633個の遺伝子が抽出された。この1633個の遺伝子をGene Set Enrichment Analysis (GSEA)を用いて解析した結果、Cdh1抑制により有意に発現が変動した遺伝子の候補を17個同定した。その中には膜輸送やタンパク質の翻訳後修飾、アミノ酸代謝等に関する経路が含まれており、中でも変動の大きかった遺伝子群として、Wnt経路が抽出された。Wnt経路には代表的なWnt-βカテニン経路があるが、βカテニンとは独立して主に細胞骨格や極性、細胞運動を制御するβカテニン非依存性経路が存在する。 この結果より、Cdh1はβカテニン非依存性のWnt経路を通して、大腸癌細胞の形態や運動を制御している可能性が示唆された。今後、Cdh1とWnt経路の関わりを明らかにすることで、大腸癌の浸潤・転移の制御につながる重要な結果と思われる。
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