2015 Fiscal Year Research-status Report
肝癌発症予防を目的とした肝癌関連分子MICAの小分子核酸による発現制御法の開発
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26460984
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 雅哉 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (30722665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 基之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90518945)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | NK細胞 / 免疫療法 / 肝癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床的に肝癌は発症の高危険群が設定しやすい癌であるが、本申請では、これまで申請者らがゲノムワイドアソシエーションスタディ(GWAS)で同定した肝癌発症感受性遺伝子MICAの発現を制御することにより高危険群からの肝癌発症を予防する方法を開発する。MICA遺伝子の一塩基多型に対応する血清MICAタンパクの多寡が、慢性C型肝炎からの肝癌発症に関与することを我々は報告したが、その後の解析によってMICAタンパクの発現量は、転写後調節に大きく依存していることを確認している。小分子RNAによる治療が臨床試験に成功しつつある現在、本研究ではMICAタンパクの発現を制御しうるmiRNAをスクリーニングによって同定し、それに対応する小分子核酸を発現する遺伝子改変動物を駆使して小分子核酸の導入による肝癌発症の予防効果を検討する。 今年度はMICAの翻訳後修飾を司る因子の同定と制御を目的に、特にMICAの切断と分泌を阻害する化合物をスクリーニングするべく、N端にnano-luciferaseを付けた癒合タンパクを発現する系を確立し、細胞外分泌機構を阻害する化合物をスクリーニングできる簡便な系を開発した。その系を用いて1000種類を超える化合物をスクリーニングしたところ、数個の化合物がMICAの切断を阻害することを同定した。 このように、MICA蛋白の発現量の増大とともに細胞表面表出MICA量の増大を達成することがここまででできるようになったので、今後は1)癌細胞にMICA蛋白を発現増加させる核酸とMICAの切断阻害薬を共に添加することによるMICA蛋白の癌細胞表面の発現量の増大と、そこにヒトMK細胞を添加することによるNK細胞による癌細胞障害活性の増加の検証をしていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MICAの発現調節に加えて、今年度は蛋白発現後の修飾・切断について 介入する方法をスクリーニングできる系を確立し、実際にいくつかの化合物を同定できた。
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Strategy for Future Research Activity |
癌細胞にMICA蛋白を発現増加させる核酸とMICAの切断阻害薬を共に添加することによるMICA蛋白の癌細胞表面の発現量の増大と、そこにヒトMK細胞を添加することによるNK細胞による癌細胞障害活性の増加の検証
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[Journal Article] ecreased miR122 in hepatocellular carcinoma leads to chemoresistance with increased arginine.2015
Author(s)
Kishikawa T, Otsuka M, Tan PS, Ohno M, Sun X, Yoshikawa T, Shibata C, Takata A, Kojima K, Takehana K, Ohishi M, Ota S, Noyama T, Kondo Y, Sato M, Soga T, Hoshida Y, Koike K.
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Journal Title
Oncotarget
Volume: 6
Pages: 8339-8352
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research