2014 Fiscal Year Research-status Report
C型肝炎治療抵抗性を示すウイルス因子と宿主因子の解析
Project/Area Number |
26460987
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
井津井 康浩 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (20401341)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝比奈 靖浩 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 寄附講座教授 (00422692)
渡辺 守 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10175127)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | C型肝炎ウイルス / インターフェロン誘導遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.新たなHCVレプリコン増殖細胞の作成:ネオマイシン耐性遺伝子とルシフェラーゼリポーター遺伝子の融合遺伝子を発現するキメラリポーターHCVレプリコン(Rep-Feo)RNAをHuh7細胞に導入し,G418選択によりFeoレプリコン恒常発現細胞株を(Huh7/Rep-Feo)を樹立した。細胞株樹立の確認には、細胞から抽出した蛋白をもとにルシフェラーゼアッセイを行った。 2.HCVレプリコンHuh7/Rep-Feo細胞については、HCVジェノタイプ1bと2aの2種類を作成することができた。レプリコンRNAは、northern blottingにて確認し、ウイルス蛋白発現はwestern blottingよりHCV非構造蛋白NS5A蛋白の存在にて確認した。 3.インターフェロン誘導遺伝子(ISG)発現プラスミドベクターの構築:Human Liver cDNA library発現プラスミドを用いて,PCR法により遺伝子を増幅し,ISG発現プラスミドベクターを構築した。構築したISG:IP10, IL8, MxA,PKR,GBP-1,IFI-56K,25OAS,IFP35,IRF-9,IFI-6-16,ISG15,IFI-27,PLSCR1,TRAIL,LMP7-E,9-27,RIG-G,IRF-1。それぞれのプラスミドベクターを培養細胞へ遺伝子導入したあと、細胞から蛋白抽出して、western blottingを行って、それぞれの蛋白発現を確認した。 4.ISG発現ベクターをHCVレプリコン細胞へ遺伝子導入し、HCV増殖への影響を解析したところ、IRF-1の他、GBP-1,IFI-6-16,IFI27発現にて、HCV増殖抑制が有意に認められた。さらにISG発現ベクターをHCV感染培養細胞へ導入したところ、IRF-1,GBP-1,IFI-6-16,IFI27発現にてHCV増殖抑制が認められた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HCVレプリコン細胞としてキメラリポーターHCVレプリコン細胞を作成することができた。またHCVジェノタイプ1b由来のキメラリポーターHCVレプリコン細胞に加えて、HCVジェノタイプ2aについても作成することが出来た。HCV増殖を制御するISGとして、研究代表者らはGBP-1, IFI6-16, IFI-27を同定していたが、今回、HCVレプリコン増殖細胞にて、HCV増殖抑制効果があることを確認することが出来た。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.ISG発現を抑制するsiRNAの作成ととHCV感染培養系への影響:ISG mRNAを標的とするsiRNA(shRNA発現プラスミド)を作成する。作成したsiRNAをISG発現プラスミドベクターとともにHuh7細胞へ遺伝子導入し,western blottingにより,蛋白発現抑制について確認する。作成したsiRNAをGenotype 2a JFH1株由来HCV感染培養細胞に導入して,培養上清中のHCVコア抗原を測定する。2.ISGに対するHCV非構造蛋白の作用機序の解析:HCV非構造蛋白と相互作用を示すISGが同定できたら,ISG蛋白への作用エピトープを特定するため,ISGのtruncate plasmidを作成する。ISG truncate発現プラスミドベクターとHCV非構造蛋白とをHuh7細胞へcotransfectionし,蛋白を回収して,免疫沈降法で相互作用を確認する。免疫沈降法で,相互作用を示すものを,mammalian two-hybrid systemでも確認する。免疫沈降法やmammalian two-hybrid systemで相互作用を示したISGに対して,HCV非構造蛋白が,ISG蛋白合成に影響を及ぼしているかを解析する。Huh7細胞へHCV非構造蛋白発現プラスミドベクターを導入し,細胞外にIFNを一定時間作用させ,細胞蛋白やRNAを回収する。ISGの蛋白合成や転写活性に影響を与えているかどうかをwestern blottingやRT-PCR法で確認する。
|
Causes of Carryover |
試薬等が計画当初より廉価で購入可能であったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
検討する数・種類を拡大して解析を行うため、試薬を増量して購入する予定である。
|
-
-
-
-
-
-
[Presentation] C型慢性肝炎治療におけるIFN不応性に関わるIL28B近傍遺伝子多型(SNP)と血球内IFNλ産生能の関連2014
Author(s)
村川美也子,朝比奈 靖浩, 中川 美奈, 後藤 文男, 大谷 賢志, 河合 富貴子, 谷口 未樹, 新田 沙由梨, 渡辺 貴子, 櫻井 幸, 井津井 康浩, 東 正新, 柿沼 晴, 坂本 直哉, 渡辺 守
Organizer
第50回日本肝臓学会総会
Place of Presentation
東京都千代田区ホテルニューオータニ
Year and Date
2014-05-29 – 2014-05-30