2014 Fiscal Year Research-status Report
PARK7 の非アルコール性脂肪肝炎における役割と診断的応用
Project/Area Number |
26460989
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高村 昌昭 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20422602)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山際 訓 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10419327)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | PARK7 / NAFLD / NASH |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は非アルコール性脂肪肝炎 (NASH) モデルマウスのプロテオーム解析結果から、NASH モデルマウスの肝臓で発現がみられた PARK7 に着目し、NASH の病態における役割やバイオマーカーとしての有用性の検討が目的である。 1.研究対象とする症例の選定、肝組織と血清の採取、臨床病理学的データのまとめ 組織学的な裏付けのある症例に関して、27年4月末時点で、肝組織はNASH60例、非アルコール性脂肪肝 (NAFL) 12例、コントロール8例が、血清はNASH31例、NAFL7例、健常人11例を選定した。 2.PARK7 および関連分子の発現・局在解析とその臨床病理学的意義の検討 上記症例をもとに、PARK7 の発現を解析した。発現局在は正常肝では細胞質、NAFL では細胞質および一部の核に、NASH では核に局在が変化するため、肝細胞を最低1000個計数し、染色された核の割合を DJ-1 labeling index [DJ-1 LI (%)] として検討した。DJ-1 LI の中央値 (%) は正常肝0、NAFL 4.3、NASH 38.3とNASH で有意に上昇を認めた (p<0.001)。DJ-1LI は Brunt 分類の grading の進行に伴い有意な上昇を認めた (p=0.018) 。Brunt 分類の staging では、stage1から3までは段階的に上昇するが、stage4になると低下することが判明した。NASH 診断能における多変量解析により、DJ-LIが独立した因子として抽出された。 3.ELISAの構築と臨床的意義の検討 ELISA に使用するマウスモノクローナル抗体の作製を進めるとともに、文献で報告されているマウスモノクローナル抗体も購入し構築を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
症例の集積に関しては、NAFL 以外は順調に集積が進んでいる。当初PARK7 関連分子の NASH における発現検討を今年度に行う予定であったが、臨床病理学的視点からのPARK7 の NASH における重要性を確認できたので次年度に行うことにした。また ELISAの構築に関しては、マウスモノクローナル抗体の作製に時間がかかっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き症例の集積に努める。組織学的な裏付けのあるNAFL 症例の血清採取が課題であり、本学消化器外科と連携し肝転移の切除症例を中心に集積を進めたい。また今年度に予定していたPARK7 関連分子の NASH における発現検討を進める。次年度に予定していたIn vitroの検討やELISAの構築も並行して進める。
|
Causes of Carryover |
前述の通り、当初PARK7 関連分子の NASH における発現検討を今年度に行う予定であったが、臨床病理学的視点からのPARK7 の NASH における重要性を確認後に行うことにしたため、次年度への計画にしたため。また、ELISAの構築が当初の予定通り進まなかったため、試薬の購入を見合わせた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
PARK7関連分子の発現検討に使用する抗体の購入、in vitro の検討に使用する細胞培養関連試薬とDJ-1 shRNA の購入、ELISAの構築を行うための試薬の購入を予定している。
|