2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26461007
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中村 進一郎 岡山大学, 大学病院, 助教 (70514230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能祖 一裕 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (10314668)
大西 秀樹 岡山大学, 大学病院, 助教 (30595468)
白羽 英則 岡山大学, 大学病院, 講師 (40379748)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | miRNA / 肝細胞癌 / シスプラチン感受性 |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロRNA(miR)阻害による効率的肝癌化学動注療法(特にシスプラチン)の開発を目的として研究を進めてきた。抗がん剤感受性/耐性に関するデータベース(Pharmaco-miR)上に、41種類のmiRについて、既にその発現量・作用機序・シスプラチンの効果の関係が報告されていた。このなかでmiR-21, miR-93については、肝癌細胞での発現増強が確認できたため、治療標的の第一候補とし、これらmiRに対するアンチセンスを用いて、シスプラチン感受性亢進作用が得られるかどうかについて検討を行った。しかし、複数の培養肝癌細胞株を用いた初期の実験において,普遍的な感受性亢進作用は証明されなかった。そのため,HepG2, HUH7細胞などの複数の培養肝癌細胞株からシスプラチン耐性株を作成し,親細胞と耐性細胞との間のmiR発現変化をマイクロアレイで解析し,新たな治療標的となるmiRの候補を抽出した。 細胞株間で共通して発現上昇の見られたmiRをターゲットとして、それぞれアンチセンスの影響を確認したところ、シスプラチンの感受性を増強できる事が判明した。しかし、個々のアンチセンスではその感受性亢進効果は限定的であった。そこでターゲットとするmiRを同時に複数個設定し、アンチセンスによる阻害を試みたところ、感受性増強効果を亢進できることが判明した。現在7種類のmiRを同時に阻害すると、強い効果が得られることが明らかとなっているが、更に少ないmiRでの阻害が可能かどうかを検討すべく、様々な組み合わせパターンでの検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
培養肝癌細胞株を用いた実験において,miR-21・miR-93とシスプラチン感受性との関連が予想以上に小さく、耐性株を研究の初期より作成して検討する必要があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
シスプラチン感受性増強が耐性株で発現上昇していたmiRを抑えることにより惹起でき、さらに組み合わせにより効果増強が得られることが明らかとなったため、どの組み合わせが有効であるかさらに検討を進め、これらの結果を元に薬剤開発に向けた実験を開始する。
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Causes of Carryover |
研究に必要な試薬購入のスケジュールの都合で次年度に繰り越しました.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の試薬購入費として使用予定です.
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