2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26461020
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
山科 俊平 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30338412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 隆 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10053373)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肝脂肪化 / オートファジー / ミトコンドリア / 細胞内代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝疾患モデルマウスから単離した肝細胞内小器官における蛋白発現変化の解析。 肝脂肪化が生じた肝組織からのリソソーム単離においてミトコンドリアがどうしても混入してしまい、リソソーム解析が困難であったため昨年度はミトコンドリア解析を中心に行うこととした。肝疾患モデル(脂肪性肝炎)とコントロールマウスからの単離肝細胞よりミトコンドリアを単離し、iTRAQ蛋白解析によって発現蛋白変化を解析したところ肝脂肪化によって発現変化する蛋白が複数検出された。特にCytochrome b-c1 complex subunit2, Acetyl-CoA acetyltransferase, 2,4-dienoyl-CoA reductase, D-β-hydroxybutyrate dehydrogenase蛋白の発現が亢進し、ATP synthase subunitβ、δ両蛋白発現の減弱が観察された。これらの酵素は細胞内エネルギー代謝に密接に密接に関連するため肝脂肪化によるオートファジー機能障害を介して代謝変化が生じた異常ミトコンドリア蓄積が生じる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ミトコンドリア解析においてはほぼ当初の計画通りだが、肝組織からのリソソーム単離においてミトコンドリアの混入が問題となっている。リソソーム単離はあきらめミトコンドリア中心の蛋白解析を行うこととしている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は今回同定された発現変化をきたした蛋白に関して、その発現変化が及ぼす影響を解析するためにsiRNAによる発現抑制やプラスミド導入による蛋白強制発現を試みる。細胞内のオルガネラの形態変化を電子顕微鏡観察にて検討を行い、WST-1アッセイによる細胞死変化や細胞増殖能評価を行う。さらに細胞内GSH,GSSG測定によって細胞内酸化ストレス変化についても明らかとする。
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Causes of Carryover |
リソソーム単離・解析に時間を要したために、蛋白発現・抑制後の細胞発現系の解析に移行できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度はターゲットとなる蛋白が決定したために、蛋白発現・抑制解析が可能となったので細胞発現系の樹立並びに解析を行う予定となっている。
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