2015 Fiscal Year Research-status Report
新しい腸内細菌叢マーカーとしての末梢血胆汁酸誘導体分析と消化器疾患診療への応用
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26461022
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
本多 彰 東京医科大学, 医学部, 教授 (10468639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 正 東京医科大学, 医学部, 准教授 (40439740)
宮崎 照雄 東京医科大学, 医学部, 講師 (60532687)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 胆汁酸 / LC-MS/MS / 腸内細菌叢 / 消化器疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
胆汁酸は様々な腸内細菌によって,腸管内で特徴的な構造変換を受けた後に再吸収され,その一部が末梢血液中にも存在する。本研究は,それらの多様な胆汁酸および胆汁酸誘導体に着目し,ヒトにおける腸内細菌叢の経時的なモニター方法としての胆汁酸分画分析の有用性を検討することを目的としている。 平成26年度までに,HPLC-MS/MSによる胆汁酸一斉分析の基礎を確立することができたため,平成27年度は,ヒトの血清および便から実際に胆汁酸を抽出して一斉分析を行い,両者の比較を行った (n=30)。その結果,非抱合型の胆汁酸に関して,便中濃度 (%) と血中濃度 (%) の間に有意な相関が認められた胆汁酸は,cholic acid (r=0.496, P<0.01), chenodeoxycholic acid (r=0.515, P<0.01), ursodeoxycholic acid (r=0.887, P<0.0001), hyodeoxycholic acid (r=0.371, P<0.05), 3epi-cholic acid (r=0.399, P<0.05), 3epi-lithocholic acid (r=0.372, P<0.05), 12epi-cholic acid (0.396, P<0.05), 7oxo-deoxycholic acid (r=0.756, P<0.0001), 12oxo-chenodeoxycholic acid (r=0.478, P<0.01), 7oxo-lithocholic acid (r=0.541, P<0.005), 12oxo-lithocholic acid (r=0.533, P<0.005)の11種類であった。 以上より,これらの血中胆汁酸が,便中の胆汁酸ひいては腸内細菌叢をある程度反映する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血中,便中の胆汁酸分析が順調に進み,最後の課題である腸内細菌分析にも既に着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度前半(9月まで)に,以下の2つを並行して進める。 1)各種消化器疾患患者の血清サンプル収集と血清胆汁酸分析を行い,疾患別のデータを収集する。 2)平成27年度に血清と便中の胆汁酸を分析したものと同一サンプル (n=30) について,便中の腸内細菌叢分析を完了させ,腸内細菌叢と便中胆汁酸分画,および腸内細菌叢と血中胆汁酸分画との関係を明らかにする。 平成28年度後半(10月以降)は,総括としてそれまでのデータをまとめ,論文作成を行う。
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Causes of Carryover |
注文した試薬の納品が遅れて,年度をまたいでしまったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
生じた次年度使用額分は,試薬の納品を待って請求予定である。 平成28年度の直接経費は,胆汁酸分析用のカラム,試薬のほか,腸内細菌叢分析,腸内細菌による胆汁酸代謝酵素研究に係わるshRNAとPCRプライマー等の購入に使用する。 また,研究成果の発表を目的とした学会出張を予定している。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Protective effect of agaro-oligosaccharides on gut dysbiosis and colon tumorigenesis in high-fat diet-fed mice2016
Author(s)
Higashimura Y, Naito Y, Takagi T, Uchiyama K, Mizushima K, Ushiroda C, Ohnogi H, Kudo Y, Yasui M, Inui S, Hisada T, Honda A, Matsuzaki Y, Yoshikawa T
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Journal Title
Am. J. Physiol. Gastrointest. Liver Physiol.
Volume: 310
Pages: G367-G375
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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