2016 Fiscal Year Annual Research Report
Application of serum bile acid profile as a new marker for gut microbiota
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26461022
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
本多 彰 東京医科大学, 医学部, 教授 (10468639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 正 東京医科大学, 医学部, 教授 (40439740)
宮崎 照雄 東京医科大学, 医学部, 講師 (60532687)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 胆汁酸 / LC-MS/MS / 腸内細菌叢 / 消化器疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来,腸内細菌叢の解析は培養法によって行われていたが,70~80%が培養困難な嫌気性菌であることが明らかになった。従って現在は,便中細菌の16SリボソームRNA遺伝子解析が行われることが多い。しかし,便の均一化,煩雑性やコストの面から臨床現場で容易に利用できる状況ではない。肝臓で生合成された一次胆汁酸は,ヒトの腸管に生息する特殊な細菌によって二次胆汁酸,さらには三次胆汁酸へと代謝される。従って,個人の便中および血中の胆汁酸組成は,その人の腸内細菌叢を反映するバイオマーカーになる可能性があると考えた。 我々は,平成26年度に高速液体クロマトグラフィー・タンデムマススペクトロメトリー(HPLC-MS/MS)法による胆汁酸誘導体の一斉分析法を開発した。それを用いて平成27年度には,ヒトの血清および便中の胆汁酸分画を測定し,両者に有意な正の相関を認める胆汁酸誘導体が存在することから,血中胆汁酸分画が便中胆汁酸分画のある程度の指標となりうることを明らかにした。そこで平成28年度は,健常者および各種消化器疾患患者の便と血清を収集し,便および血清の胆汁酸分画分析と共に,便中の腸内細菌組成を末端標識制限酵素断片多型分析(T-RFLP)法にて分析した。その結果,便中,さらには血中の胆汁酸誘導体で,腸内細菌のうち疾患との関連が強く疑われているClostridium subcluster XIVaの比率と有意な正の相関をするものが見出された。 分析に必要な血清量は20μL,糞便量は綿棒で肛門を拭ってわずかに黄色い色が付着する程度で十分である。サンプル採取から最短60分で結果が得られることより,臨床的にClostridium subcluster XIVaの増減を評価する簡易的なバイオマーカーとして有望であることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)