2015 Fiscal Year Research-status Report
アルコール性膵炎患者の網羅的エクソーム解析による遺伝的要因の解明
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26461030
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
粂 潔 東北大学, 大学病院, 助教 (30431563)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 膵臓学 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの遺伝学的な知見は、トリプシンの膵内での早期活性化が他の消化酵素を活性化する重要な鍵となるという仮説を支持している。このためトリプシンとその阻害蛋白を中心に精力的に解析されてきたが、アルコール性膵炎の遺伝的背景因子は未だ不明である。一方、近年ではDNAのなかでも蛋白質を符号化しているmRNAの翻訳領域(エクソーム)が注目されている。本研究では次世代シークエンサーを用いたエクソーム解析により、アルコール性膵炎発症と関連する低頻度アレルを同定することで、これまで不明であったアルコール性膵炎発症のメカニズムを解き明かすことを目的とする。本研究ではアルコール性膵炎と診断された症例16例を対象に、ゲノムDNAを抹消血白血球より抽出した。Sure-Select Human All Exon Kit を用いて、エクソン領域のDNA断片を抽出、濃縮した。次世代シークエンサーのHiseq2500を用いて行い、180,000個のエクソン領域を網羅的に解析した。ターゲット領域の平均depthは70以上と良好であった。1症例あたり平均7千万リードを読み取った結果、エクソン領域に約68,000個のvariantを認めた。このうち日本人のデータベースと比較し高頻度に認められた複数のvariantを膵炎関連遺伝子候補として抽出している。現在、候補遺伝子を対象に560例の膵炎患者について遺伝子解析を行い、膵炎との関連について評価中である。このうちring finger protein 113Bに認められたvariantは217例のアルコール性膵炎患者のうち31例(14.3%)に認められ、健常群410例中29例(6.6%)に比べ有意に高頻度であった(p値0.002)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書の予定どおり、対象患者からゲノムDNAを抽出し、エクソン領域のDNA断片を抽出、濃縮した。次世代シークエンサーを用い、全エクソン領域の遺伝子異常を網羅的に解析し、多数の異常を検出できた。健常日本人の遺伝子データベースと比較することで、同定された異常のうち膵炎との関連が疑われる候補遺伝子を抽出できた。
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Strategy for Future Research Activity |
当科ですでに蓄積された遺伝子検体(急性膵炎および慢性膵炎症例700例以上)と健常検体を対象に改正調査を行い、同定された遺伝子異常と膵炎との関連性について評価する。
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Causes of Carryover |
ほぼ全額を使用し、残額は小額のみのため、購入が必要かつ可能なものがなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の交付金と合わせて必要な物品を購入する。
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